日本における暗号資産投資の実態と今後の方向性
2025年6月、株式会社フォーイットが運営するWeb3メディア「Mediverse」が実施したアンケート調査により、暗号資産投資に対する日本人の期待と懸念が明らかになりました。調査対象は全国の20歳以上の男女500人で、主に暗号資産(仮想通貨)に対しての投資意欲や関心、懸念点について尋ねました。
調査結果の概要
暗号資産への投資意欲を示したのは23.6%で、これは約4人に1人が暗号資産投資に興味を持っていることを示しています。性別や年齢別に見ると、特に男性の投資意欲が顕著で、50代においても男性34%、女性6%という結果があり、男女間で大きな差が生じています。
世帯年収別の分析では、年収1,000万円以上の層での投資意欲が41.4%と高く、一方で年収300万円未満では16.7%と大きな差が見られました。これらの数値から、経済的余裕が暗号資産投資への心理的壁を下げていることがうかがえます。
投資への関心とその背景
暗号資産投資への興味は「何もない」という回答が66.4%と多く、次いで「将来的に価値が上がる可能性がある」という見方が19.8%でした。男女間でみると、女性の75.6%が「興味のあるものはない」と答えているのに対し、男性は57.2%と半数を超えるにとどまりました。このギャップは、投資への積極性や情報接触機会の違いを反映しているかもしれません。
年代別では、30代が将来価値の上昇に対する期待が最も高く(28.0%)、60代の14.0%と大きな差がみられました。世帯年収が高くなるにつれ、将来価値に対する期待も高まり、1,000万円以上の層では32.8%が期待を寄せています。
不安要素とその影響
調査結果では、暗号資産投資への最大の懸念は「金銭的損失のリスク」で、特に女性では6割以上がこのリスクを恐れていることがわかりました。続く懸念は「詐欺やハッキング」といったセキュリティ面で、これも男性とほぼ同程度の割合を示しています。
年代別に見ると、60代は67.0%が金銭的損失リスクを懸念しており、投資に対する消極的姿勢も強いことが感じられます。世帯年収別では、年収700万円~1,000万円層が最も高い割合で懸念を抱いており、60%を超える結果となっています。
総論
今回の調査から、暗号資産投資への期待と懸念は性別や年齢、収入といった属性によって大きく異なることが明らかになりました。特に男性、高所得層は将来価値の上昇を期待する一方で、全世代で金銭的損失やセキュリティリスクに対する懸念が共通していることがわかりました。
新たな投資方法として注目を集める暗号資産ですが、安全で信頼できる情報提供が求められています。環境が整うことで、興味を持つ層への後押しとなり、市場のさらなる拡大が期待されています。今後も「Mediverse」は、最新情報を提供し続け、暗号資産市場の成長に寄与することを目指しています。