荏原製作所とAI
2026-03-19 08:00:57

荏原製作所が選んだオンプレミスAIが実現する高度な技術情報活用

荏原製作所が選んだオンプレミスAIが実現する高度な技術情報活用



製造業界において、情報の機密性を確保しつつAIテクノロジーを活用することは、ますます重要な課題となっています。そんな中、荏原製作所がSparticle社のオンプレミス型AIソリューション「GBase On-Prem」を導入し、業務効率の向上を図っているというニュースが飛び込んできました。

背景:製造業におけるクラウドAIの壁



荏原製作所は、長年の間に蓄積した設計資料や技術文書、社内規定など、非常に機密性の高い情報を多く保有しています。これらのデータは同社の競争力を支える重要な資源ですが、外部環境への持ち出しは厳格に制限されています。そのため、近年の生成AI技術の進展にもかかわらず、クラウド型AIツールを本格的に導入するには多くの障壁がありました。

例えば、他のクラウド型AIサービスでは、機密情報を外部サーバーに送信するリスクや、データセキュリティポリシーへの懸念が大きな障害となっていました。さらに、特に製造業特有の専門知識に対するAIの精度が不足しているという懸念もありました。

一方で、CPS推進部のある担当者は、「汎用的なAIでは製造業が求める専門的な回答には届かない。しかし重要な技術情報を外部に出すこともできなかった」という回顧を述べています。

選定の決め手:オンプレミス型AI「GBase On-Prem」



荏原製作所は、こういった課題を乗り越える手段として、GBase On-Premを選択しました。このAIプラットフォームの主な特長は以下の通りです。

1. 完全なデータ主権:社内ネットワーク内で運用するため、機密データを外部に持ち出すことなくAIを活用することが可能です。
2. 高精度な日本語処理:70B(700億パラメータ)モデルが一部タスクにおいてGP4to miniと同水準の精度を発揮し、オンプレミス運用においても適切なコストバランスを実現。
3. 柔軟なモデル構成:用途に応じたモデル選択が可能で、次世代のAI機能強化も見込まれています。

特に、GBase On-Premの独自技術であるRAG(Retrieval-Augmented Generation)により、社内ドキュメントを学習し「荏原製作所専用AI」として機能させる点が魅力的でした。

導入効果:業務効率の大幅向上



導入後、荏原製作所でのGBase On-Premの運用は現在、概念実証(POC)フェーズにあり、高評価を得ています。具体的な効率化の成果は以下の通りです。

  • - 技術情報検索の効率化:従来は技術情報の検索に平均30分を要していましたが、自然言語での質問で平均2分に短縮されました。これにより、ファイルサーバー内での手作業検索も不要になり、即座に情報を取得可能になっています。
  • - RAG構築の容易さ:専門知識がなくても、ドキュメントをアップロードするだけでナレッジベースの構築が可能になり、現場主導での活用が進んでいます。
  • - セキュアな検証環境の実現:外部流出リスクを排除したことで、これまで扱えなかった機密データを利用したAI検証が可能となりました。

今後の展望:AIのさらなる進化へ



Sparticle社は製造業向けのAIソリューション開発を今後も続けるとともに、以下のような機能拡張を計画しています。

  • - 業界特化型モデルの開発支援:製造業特有の専門知識を深く理解するAIの実現をサポート。
  • - VLM(視覚言語モデル)への対応拡充:ビジュアルデータを活用した解析機能の提供予定。
  • - エージェント機能による業務自動化の推進:統合検索や自動要約、レポートの自動生成などの機能を視野に入れています。

「製造業のお客様が持つ膨大な技術資産を、AIで最大限に活用できる環境を提供していきたい」とSparticleの開発チームは意気込みを語ります。今後もGBase On-Premに期待が寄せられています。


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