NGKとLaboro.AIの画期的なシミュレーション技術開発
生成AIによる新たな可能性
名古屋のNGK株式会社と東京本社のLaboro.AIが共同で、生成AIを利用した大規模な科学技術計算シミュレーションソフトウェアを開発することに成功しました。これは、有機化合物結晶探索に関するソフトウェアに新たな価値を与えるものであり、業界におけるシミュレーション技術の進化を促進します。
プロジェクトの背景と目的
本プロジェクトは、NGKの赤外線照射技術や結晶析出に関する豊富な理論及び実験データと、Laboro.AIのAI技術ノウハウを統合し、製造業が直面するシミュレーション技術の開発において、より正確かつ効率的な手法を追求しています。特に、同一化合物でも異なる結晶構造を形成する可能性を探求する中で、製薬などの分野で重要視される溶解性や安定性に影響を与えるすべての条件を検討しています。
課題解決へのアプローチ
従来、製品開発に伴う結晶構造を明らかにするには、膨大な数の条件を実験する必要がありました。しかし、さまざまなパラメータを実験で網羅するのは難しいため、シミュレーションによるアプローチが求められました。そこで、両社は物理化学法則を数式化し、大規模な数値計算を行うことができるシミュレーションソフトウェアの開発に取り組みました。
生成AIを活用したプログラム生成
革新の中心は、生成AIの活用です。具体的には、シミュレーションに必要な数式や条件を人間が理解しやすい形式で整理し、これをAIに入力することで、正しいプログラムを生成できるプロセスを検証しました。これにより、開発のルールやベースコードを明確にし、AIによるプログラムの誤解釈を防ぎました。
結果として、このプロセスはプログラムの実装を従来の数分の一に短縮することに成功し、人間の負担を大幅に軽減。開発者は数式や理論の検討、結果の解釈への時間を増やし、より本質的な技術課題に集中できる環境が整いました。
今後の展望
NGKは、今回の取り組みを有機化合物結晶探索ソフトウェアに適用し、顧客ニーズに迅速に対応することでサービスの付加価値を高めることを目指しています。そして、この手法は今後、他の領域のシミュレーションソフトウェア開発にも適用される見通しです。研究開発から社会実装までのプロセスがスピードアップすることに期待が寄せられます。
経営者のコメント
NGKの宮嶋敦専務執行役員は、今回の成果を通じて、デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進することの重要性を強調しました。急速に進化するAI技術は競争力を高める要因であるとし、Laboro.AIとの協力を大変評価しています。一方、Laboro.AIのCEO・椎橋徹夫氏は、生成AIが製造業における科学的計算の領域で人間のパートナーとなるという画期的な事例を強調しました。
今回の取り組みがもたらす未来の技術革新に期待が高まる中、NGKとLaboro.AIの協力が新たな製品や新事業の創出に向けた一歩となることを願っています。