エージェンティックコマースの実態とAI進化
最近、株式会社ネットプロテクションズのシンクタンク「NP総研」が実施した「エージェンティックコマースの購買・決済に関する実態調査」によって、私たちのネットショッピングにおけるAIの利用状況が明らかになりました。この調査は、直近6カ月以内にネットショッピングを利用した20~65歳の男女1,000人を対象に行われました。
AIの利用状況
調査によると、AIサービスを週に数回以上使用している人は43.9%に達し、その中には「毎日使う」人も16.3%含まれていることがわかります。これはAIが私たちの生活に浸透し始めていることを示していますが、それでも39.7%の人が「ほとんど使わない」と回答しており、利用状況には二極化が見られます。
AIによる購買行動
エージェンティックコマースにおけるAIの活用法としては、「”あなたへのおすすめ”、”この商品を買った人はこれも”から購入」という方法が19.7%で最も多く、次いで「ChatGPT・Gemini・Perplexityなどで商品や購入先を調べてからECで購入」が12.0%と続きます。このことから、AIは商品選びのサポートにとどまらず、実際の購買行動へと進化していることがわかります。
期待されるAIの役割
AIに期待される役割は、「商品の比較・選択の自動化」(30.2%)や「より精度の高い商品の発見・提案」(27.1%)が多く、「支払い方法の自動選択・自動決済」は10%未満に留まっています。つまり、利用者はまず購入前の支援を重視していることがこの結果からも伺えます。
購買における抵抗感
面白いことに、AIに購入・決済まで任せたいと考えるのはわずか2.2%にとどまります。この結果からは、やはりお金の動く場面では慎重な姿勢が根強いことがわかります。特に、最終的な判断を自分で行いたいというニーズは52.8%を占めており、AIに任せることへの信頼感がまだ構築されていないことが浮き彫りになっています。
AI活用の条件
また、AI決済を利用する際の条件として、利用者は「信頼できる企業やブランドが運営していること」や「提案の根拠・理由が明確に表示されること」を重視することも明らかになっています。AIによる購買体験が今後広まるためには、透明性と安心感が不可欠です。
年齢別のAI受容性
特に注目すべきは、60代以上の女性の約4割がAIによる支払い方法の提案に利用意向を示している点です。これは、AIが若年層だけでなく、広い年代に対しても受け入れられる可能性を秘めていることを示しています。
BNPLとAIの相性
調査では、BNPL(後払い)を利用している人の81.7%がAIを活用した購買行動を経験済みで、これはBNPL未利用者の35.7%を大幅に上回ります。BNPLユーザーは、AIによる購買体験に対して非常に前向きな姿勢を持っていることが伺えます。
まとめ
AIの進化と普及は、エージェンティックコマースの進展に寄与する一方で、決済の場面では利用者が納得できる仕組みが求められています。信頼される決済UXがあることで、AIエージェントは安心して利用できる存在となるでしょう。今後のエージェンティックコマースの展望としては、AIの提案と利用者の最終判断が一体化した新しい購買体験が待っているのかもしれません。ネットプロテクションズは、これからもこのトレンドを注視し、安心で信頼される購入体験の実現へ向けて研究を続けていきます。