Kongが発表した新しい「Konnect MCPサポート」
2025年10月14日、Kong株式会社はニューヨークで開催されたAPI Summit 2025にて、企業のMCP(Microservices Communication Platform)およびエージェント型AI開発を支援するための新サービス「Konnect MCPサポート」を発表しました。この新たなサポートによって、AIエージェントの開発はより簡単、安全、そしてコスト効率的に行えるようになります。
このサービスには、AI Gatewayに新しい機能を持つMCPゲートウェイや、MCP対応のKonnectデベロッパーポータルといった要素が含まれています。これにより、AIエージェントを支えるベースのツールやアプリケーションを安全に構築・運用・探索・ガバナンスするための手段が提供されます。
Kongの取り組み
Kongの製品開発において、インフラと開発者向けツールの整備は極めて重要です。これは、AIコーディングアシスタントやAIワークフロー、さらにはエージェント型AIの導入を、安全かつ迅速に進めるために必要な取り組みです。KongのCTOで共同創業者のMarco Palladino氏は、エージェント型AIがもたらすチャンスと、その実現に必要なインフラについて次のように語っています。
「エージェント型AIは企業にとって大きな可能性を秘めていますが、その実現には適切なインフラが不可欠です。MCPがエージェント型ワークフローの基礎として機能する一方で、セキュリティやパフォーマンスに関する課題も存在します。私たちの新機能は、これらの課題を解決し、組織がAIエージェントを安全かつ迅速に実用化できるよう助けます。」
KongのMCPガバナンス機能
Konnect MCPサポートでは、企業がAIエージェントを簡単に導入できるよう、様々な機能が提供されます。主な機能は以下の通りです:
- - 一貫したMCPサーバーの自動生成と保護:Kongで管理されるAPIから、スマートで高度なAIエージェントを短期間で市場に投入することを可能にします。
- - 集中型MCP認証:KongのMCP OAuth 2.1認証プラグインにより、全サーバーを一元的に保護。これにより、コンプライアンスやガバナンスの強化が実現されます。
- - MCPの可観測性とガバナンスの強化:MCPツールやワークフローのデータ可視化が可能で、パフォーマンス監視やコスト最適化を支援します。
- - シームレスなMCP対応アクセス:Konnect Developer Portalを通じて、AIコーディングアシスタントとの連携を実現します。
- - AI Integration Composer & Runner:効率的なAPIエンドポイントの構築と必要なコードの自動生成ができます。これにより、KongのAI Gatewayが提供する信頼性とガバナンスの下で、開発が行えます。
新オープンソースSDK「Volcano」
Kongは、「Volcano」と呼ばれる新しいオープンソースのソフトウェア開発キット(SDK)も導入しました。Volcanoは、開発者にとって軽量で安全なフレームワークを提供し、APIやMCPサーバー、他のAIシステムとの統合が可能なアプリケーションの開発を簡素化・高速化します。
Marco Palladino氏は、「既存のAIエージェント開発向けフレームワークは、開発者が必要とする使いやすさや安全性を十分に提供できていません。しかし、Volcanoはそれを変える課題解決の原動力となります。KonnectのAIインフラとともに、開発者やプラットフォームチームが求める全てを手に入れることができるでしょう」と述べています。
Volcano SDKはオープンソースプロジェクトとしてGitHubで公開予定であり、この新しいツールがどのように開発者に新たな可能性をもたらすのか、今後の展開が楽しみです。詳細はKongの公式ウェブサイトやSNSをご覧ください。
まとめ
Kongが提供する「Konnect MCPサポート」と新しいSDK「Volcano」は、企業にとってAIおよびエージェント型開発の新しい時代を切り開く鍵となるでしょう。デジタル変革が進む今日、Kongの取り組みは、企業の競争力を高める大きな助けとなること間違いありません。