研究成果のご紹介
2026年4月19日に開催された第11回日本血管不全学会学術集会で、「Which diseases commonly co-occur with heart diseases in the 10 years preceding to death?」(死亡前10年間で心疾患と併存頻度の高い疾患は何か)というタイトルの論文が優秀演題賞を受賞しました。本論文は、株式会社ユカリアと大阪大学大学院医学系研究科の共同研究によるもので、日本血管不全学会の学会誌『Vascular Failure』に掲載されました。
研究の背景と目的
心疾患は日本における主要な死因の一つですが、様々な疾患と併存することが臨床現場では広く知られています。特に、死亡前の長期間にわたってどのような疾患が心疾患と併存しやすいのかをデータに基づいて明らかにする試みはこれまで少なく、重要な課題でした。本研究は、ユカリアが保有する匿名加工電子カルテデータを基に、心疾患と他の疾病との併存パターンを可視化することで、医学研究の発展に寄与することを目的としています。
研究方法
本研究は、ユカリアの提携医療法人3施設から得た407例を対象に、ICD-10コードに基づいた匿名加工電子カルテデータを利用しました。そして、多変量ロジスティック回帰分析やROC解析を用いて、死亡前10年間の併存疾患のパターンを明らかにしました。
主な研究結果
1. 死亡1年前に急増する疾患:心不全、がん、貧血、脳卒中、肺炎
2.心不全は心筋梗塞や肺炎と強い併存関係があり、腎不全や貧血とも中程度の併存が認められました。
3. 時期別の傾向として、死亡1年前には肺炎や心筋梗塞、3年前にはがんや貧血が心不全と多く併存することが確認されました。
4. 性別による違いも判明し、男性は肺炎、女性は心筋梗塞や貧血の併存が多く見られました。
以上の結果は、心不全と肺炎の併存が、死亡に至る過程において重要であることを示唆しています。これは終末期医療や予防医療における疾病管理に新たな視点を提供するものです。
ユカリアデータレイクの利点
ユカリアは、「ユカリアデータレイク」により、大量のデータを蓄積し、構造化データや非構造化データを包括的に分析することが可能です。特に医師の診察記録や看護師のケア記録から得られる定性的な情報を通じて、患者の治療実態を多角的に把握できるのが大きな特徴です。また、長期間にわたる症状の変遷を追跡できるため、疾病の理解が深まります。
今後の展望
ユカリアは、医療現場や研究機関との連携を強化し、リアルワールドデータを用いた医学研究の発展に寄与することを目指します。「ヘルスケアの産業化」をビジョンに掲げ、医療や介護の変革を通じて、より良い社会を実現するために貢献していく所存です。
株式会社ユカリアについて
ユカリアは、医療・介護の現場の支援を行う企業で、経営支援やデジタル技術を活用したソリューションを提供しています。さらに、病院の運営効率化や、地域包括モデルへの取り組みも行っており、今後の成長が期待されています。所在地は東京都千代田区霞が関にあり、詳細は公式ウェブサイトで確認すると良いでしょう。