急増する害獣被害、私たちの生活を脅かす動物たちの実態

最近の調査によると、68%もの人々が害獣の被害が増えたと感じており、特にクマやイノシシ、ネズミといった動物がその上位を占めています。この現象は、自然豊かな環境に限らず都会でも報告されており、かつての「遠い存在」の害獣が、私たちの日常生活により身近な問題となってきています。

株式会社クロス・マーケティングが行った「障害獣に関する調査（2025年）」では、全国の20歳から69歳までの男女を対象に害獣の目撃情報や対策に関する意識を探りました。調査結果から、どのような動物や状況が人々に影響を与えているのかを見ていきましょう。

目撃された動物たち

調査では、この1年間に日常生活で遭遇した動物（鳥類を含む）の中で「カラス」「ハト」「スズメ」が最も多く、いずれも半数以上が回答しています。興味深いのは、年代が上がるにつれ、これらの動物を見かけた割合が高まる傾向があることです。

害獣だと感じる生き物

続いて、害獣だと思う生き物のランキングでは、「クマ」と「イノシシ」が約50%を占め、「ネズミ」と「サル」も40%台に達しています。これも年齢が上がるほど、より多くの人々がこれらの生き物を害獣と認識する傾向が見られました。このことから、特に高齢者の間では、これらの動物たちに対する警戒感が強いことが伺えます。

感じる被害の増加

世間一般で害獣の目撃や被害が「増えたと感じる」という人は67.6%に達していますが、60代以上の人では、81%という高い割合を記録しています。自分の周囲ではどうかという質問に対しては、26.7%が「周辺で増えたと感じる」と回答しているものの、53.3%は「変わらない」としています。これにより、周囲が実際に被害を受けている実感と、自分自身の生活環境のギャップが浮き彫りになっています。

害獣対策の意識

調査では、害獣対策として注意すべき点についても問われました。上位に挙がった項目には、「見かけた場合はむやみに近づかない」「ゴミ捨て場を厳重に管理する」「生ゴミを屋外に放置しない」といった具体的な対策が含まれ、いずれも3割以上が支持しています。このことから、人々は自らの安全を守りつつ、地域環境を保全するために意識的な行動を求めていることがわかります。