不正転売を防ぐ新技術 - 株式会社コアジェニックの挑戦
現在、東京のイベント業界では、電子チケットの不正転売が深刻な問題となっています。人気のライブやスポーツイベントのチケットは、転売屋によって高値で売買され、本来の購入者が適正な価格で手に入れることが難しくなっています。また、イベント当日の入場時には、QRコードの読み取りに時間がかかり、来場者の体験が損なわれることもあります。これに対応すべく、株式会社コアジェニックが特許を申請した新技術が注目されています。
特許出願の背景
電子チケットが導入されてから、その利便性が評価される一方で、不正転売や入場に伴う混雑が大きな課題として浮上しています。特に、人気イベントではWebサイトやオークションサイトでの転売が横行し、正規の購入者がチケットを入手することが困難です。こうした不正行為を撲滅し、入場時の処理を迅速化する必要があるといえます。
新技術の概要
今回株式会社コアジェニックが申請した特許は、ディスプレイに表示された2つの異なるQRコードを利用する仕組みです。この2つのQRコードはそれぞれ異なる有効期限を持ち、定期的に切り替わります。この方法により、来場者は自身のスマートフォンでQRコードを読み取ることで、電子チケットの情報を速やかに取得し、効率的に入場できる仕組みが構築されます。
QRコードの仕組みとメリット
イベント当日、運営者は会場にPCとディスプレイを設置し、2種類のQRコードを表示させます。来場者はその中の1つを読み取り、表示されたURLにアクセスすることで、自己のスマートフォンに電子チケットを表示させます。このQRコードの色の濃淡が、残りの有効期限を示しており、関わっている者は濃い色を読み取ることで、よりスムーズな入場が可能です。
この技術により、ジリジリとした待ち時間や、誤って他のQRコードを提示することでの混乱を防ぎます。また、QRコードの読み取りがスマートフォンのカメラを使った1つの動作だけで済むため、複雑な操作も不要です。これらの改善により、参加者の体験価値が向上し、運営者のコスト軽減にも繋がることでしょう。
期待される影響
特許出願により考えられている効果としては、以下の点が挙げられます。
- - 不正転売の防止: QRコードが頻繁に切り替わることで、画面のキャプチャや印刷による不正利用を防ぎます。
- - 受付時間の短縮: 煩雑な受付プロセスがシンプルになり、来場者は簡単に入場することができます。
この技術は特に、東京のような大規模なイベントにおいて、その効率性が一層求められるシーンで大いに活用されることでしょう。
今後の計画
株式会社コアジェニックは、この革新的な技術を基盤として、入場管理システム「グリゴラパス」を開発しています。このシステムはソフトウェアライセンスの形で提供され、同時にAPIも供給される予定です。また、電子チケットの販売サービス「アツマロッカ」を2025年にベータ版をリリースする計画も立てています。このサービスは基本的な機能を無料で提供し、フリーミアムモデルを採用することで、多くのユーザーにその利便性を体験していただくことを目指しています。
まとめ
このように、株式会社コアジェニックの新たな取り組みは、東京のイベント業界において重要な転機をもたらす可能性があります。電子チケットの普及が加速する中で、この技術が果たす役割は今後ますます重要になるでしょう。
本技術に関する最新情報や、イベント受付に関する詳しい内容は、株式会社コアジェニックへ直接お問い合わせください。