doxepinとH1受容体の新知見
2026-02-13 11:11:53

doxepinのヒスタミンH1受容体結合に関する新たな熱力学的知見

doxepinのH1受容体との結合特性について



東京理科大学の白石充典教授率いる研究グループが、doxepinの幾何異性体(E-doxepinおよびZ-doxepin)のヒスタミンH1受容体(H1R)との結合に関する熱力学的特性を解明しました。これまでの研究では、Gタンパク質共役型受容体(GPCR)における受容体とリガンド間の結合エネルギーを測定することは難しいとされていましたが、今回の研究では、等温滴定型カロリーメーター(ITC)を用いた新しい手法により、H1Rとの結合における熱力学パラメータを直接測定することに成功しました。

研究の背景と目的



GPCRはホルモンや神経伝達物質、薬物を認識し、多様な生理学的シグナルを制御する膜タンパク質の大きなファミリーで、現在市販されている医薬品の30%以上がこの受容体を標的としています。中でもヒスタミンH1受容体はアレルギーや炎症反応に関与し、抗ヒスタミン薬の主要なターゲットです。第一世代の抗ヒスタミン薬は鎮静などの副作用があり、第二世代のものは改善されていますが、根本的な治療効果に限界があり、新たな視点での研究が求められていました。

研究の成果



本研究では、親和性が特に高いZ-doxepinのH1Rへの結合において、エンタルピー-エントロピー補償が存在することが明らかとなりました。具体的には、Z-doxepinの立体構造が受容体結合によって制限され、これが受容体とリガンド間の相互作用における力学的特性に影響を与えています。実験からも、Z-doxepinはE-doxepinよりもエンタルピー利得が高く、エントロピー損失も大きいことが示され、これらの要因が異性体選択性に寄与しています。

GPCR創薬への影響



研究を指導した白石教授は「本研究の成果は、今後のGPCR標的薬の設計において重要な指針となる」と述べています。特に異性体の機能を活用した薬剤設計や、受容体の変異に応じた個別化医療への応用が期待されます。

まとめ



今回の研究は、等温滴定型カロリーメーター(ITC)と分子動力学(MD)シミュレーションを組み合わせる新たな手法により、doxepinの異性体によるH1 receptorとの結合におけるプロセスを明らかにしました。これにより、次世代の抗ヒスタミン薬の開発につながる新たな道筋が開かれると考えられています。今後の研究や医療における応用が非常に楽しみです。


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