双日がシンガポールの医療サービス企業を買収し、国際展開を加速

シンガポールの医療業界に新風を吹き込む

双日株式会社（以下、双日）は、シンガポールの医療サービス企業、Royal Healthcare Pte. Ltd.（以下、Royal Healthcare）の株式を取得し、連結子会社とすることを発表しました。Royal Healthcareは、高品質な医療サービスとホスピタリティで知られる企業であり、双日は今後、顧客のニーズに応じた新しい医療関連サービスの導入に取り組んでいきます。

シンガポールの医療の現状

シンガポールは経済成長が安定している一方で、高齢化が進み、慢性疾患の罹患者が増加しています。糖尿病、高血圧、心疾患など、これらの病気に対する治療の需要が高まる中、健康診断や重症化の予防、アフターケアなど、さまざまな医療サービスの必要性が迫られています。このような背景の中で、シンガポールは健康寿命の延伸を目指し、予防医療や健康促進活動を強化しています。

また、シンガポールはアジアにおける医療ツーリズムのハブとしての役割も担っており、質の高い医療サービスを提供するための体制が整っています。医療インフラや専門医が集まり、世界水準の医療技術が展開されていることは、国際的な患者を引きつける要因になっています。

Royal Healthcareの特長

Royal Healthcareは、シンガポールのNovenaに位置するRoyal Square Medical Centre内で専門医療センターを運営しています。このセンターでは、各分野に特化した専門医が連携しており、国内外の患者に対して画像診断や検体検査を含む健康診断サービスを提供しています。そして、約20の専門科目に応じた質の高い診療とカスタマイズされた医療を実施しています。

患者が即日で診断結果を得られる「1day-1stop-1center」のコンセプトに基づいたサポート体制は、利便性と顧客満足度を高めるための重要な要素です。また、独シーメンス社との提携により、アジア初の医療従事者教育を行うリファレンスセンターが設けられており、最先端の医療機器も利用されています。

双日の成長戦略

双日は、2017年にトルコ・バシャクシェヒールチャムアンドサクラシティー病院事業に参画し、その後も豪州のNew Footscray総合病院事業に関わるなど、医療分野での成長を続けています。2024年にはウズベキスタンでの病院新規開発に関するMOUを締結し、さらなる国際展開を進めています。知見の蓄積とともに、民間医療事業にも積極的に関与することで、医療ニーズが多様化する世界市場において競争力を高めていきます。

今後も双日は、先進医療の提供を通じて、顧客の期待に応えるための努力を続けていく方針です。医療の国際化が進む中、シンガポールと双日が手を組むことで、今後の医療業界にどのような変化をもたらすのか、今から目が離せません。