ToMMoシンポジウムの展望
2025-08-12 10:26:28

次世代ゲノム医療の未来を探るToMMoシンポジウムの成果と展望

ToMMoシンポジウムが描く未来のゲノム医療



2025年7月14日、東京のトラストシティ カンファレンス・丸の内で、東北大学の東北メディカル・メガバンク機構(ToMMo)が主催するシンポジウム「つながる、ひろがる バイオバンクが創る未来」が開催されました。このシンポジウムは、次世代ゲノム医療の実現に向けて全国の多様な関係者が集まり、バイオバンクに関する現状や未来の展望、データの利用に関連する様々な課題を議論する貴重な機会となりました。

本イベントは、対面での参加とオンライン視聴のハイブリッド形式で行われ、会場には約100名、オンライン視聴者は300名以上が参加。「次世代型ゲノム医療」の実現に向けての期待感が高まっていることがうかがえます。

ゲノム医療を進化させるプラットフォームの紹介



シンポジウムでは、NTTプレシジョンメディシン株式会社から取締役データコンサルテーション事業部長の田畑雅章氏が「各界からの期待」セッションに登壇し、同社の「Japan Precision Medicine Platform(JPP)」が如何にして次世代型ゲノム医療に寄与するのかを説明しました。このプラットフォームは、Trusted Research Environment(TRE)を基盤にしたもので、複数の医療機関やバイオバンクが安全にデータを活用できる環境を提供します。

特に注目すべきは、フェデレーション型解析モデルの利用です。これにより、個人情報を保護しつつ、各施設間でのデータの統合及び解析が可能になります。このアプローチにより、患者個々に対するより良い医療を提供するための新たな道が開かれます。

ToMMoとの共同業務の展開



現在、NTTプレシジョンメディシンは、ToMMoの15,000件の全ゲノム情報とそれに伴うリアルワールドデータを用いて、BC Platforms社の「BC|INSIGHT」で共同解析を進めています。将来的には、データ規模を10万件、さらには20万件へと拡大することを目指しています。このことは、国内外でのデータ利活用を促進するための技術検証とユースケースの創出を視野に入れていると言えます。

具体的なユースケース



講演では、以下のようなユースケースが紹介されました。
1. 全ゲノムデータと電子カルテの組み合わせ:疾患ごとに薬効と副作用の相関を分析することで、個別化医療の実現に寄与。
2. ゲノム情報と健診データの連携:病気の予兆を早期に発見し、その予防策を講じるための研究。
3. 多施設・多民族データの比較解析:他のバイオバンクとの連携を通じてデータを安全に比較する可能性。

データガバナンスと医療への影響



講演では、ゲノムデータを国際的に利用するためのガバナンス整備、倫理的配慮、及び安全な解析環境の重要性が強調されました。特に、GDPRやHIPAAといったグローバルな法規制を考慮したインフラ整備と、産官学が連携してルールを形成することが求められています。

未来への期待



このシンポジウムを通じて、ToMMoが保有する高精度データの社会的価値を最大限に引き出し、次世代医療の研究開発に向けた共同の在り方が示されました。NTTプレシジョンメディシンは引き続きToMMoおよびその関係機関と連携し、倫理的に配慮した形で医療データの利用を進めていく意向を表明しています。

シンポジウム全体の詳細なレポートはToMMoの公式ページで確認できますので、興味のある方はぜひご覧ください。イベント詳細はこちら


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