劇団山の手事情社、40周年の集大成
劇団山の手事情社が2025年2月21日から25日まで、シアター風姿花伝でシェイクスピアの名作『オセロー』と『マクベス』を上演します。この公演は創立40周年を迎えた節目の年に行われるため、劇団の長い歴史と進化を感じることができる特別な機会です。
劇団山の手事情社の歩み
1984年に安田雅弘らによって結成されたこの劇団は、早稲田大学演劇研究会を母体にし、以来一貫して実験的な舞台を追求してきました。特に1990年代後半からは戯曲を用いながらもリアリズムを超える新たな演技スタイル「四畳半」を確立し、現代演劇への貢献が評価されています。2013年には、主宰・安田雅弘がシビウ国際演劇祭で「特別功労賞」を受賞しました。
現在もなお、彼らは演劇ならではの表現を探求し続けており、今回の公演でもその姿勢が色濃く反映されています。
シェイクスピアの悲劇
『オセロー』の魅力
『オセロー』の構成・演出を手がけるのは小笠原くみこです。彼女は、この作品が現代のSNSやフェイクニュースに流される人々の姿と重なることに注目しています。物語の中でオセローはイアーゴーの奸計に陥り、妻デズデモーナは潔白のまま命を落とします。小笠原は、この二人の対照的な立場を舞台を通じて描くことで、観客に深いメッセージを伝えます。
「生を重んじる象徴の『白』と人間の深い業の象徴である『黒』。この二つはいつの時代も共存し続け、私たちの眼前に現れる」と彼女は語ります。演出からは、デズデモーナに焦点を当て、彼女を際立たせることで物語の深みを引き出しています。
『マクベス』の深淵
一方、斉木和洋が手がける『マクベス』では、魔女の予言に翻弄されるマクベス将軍の悲劇が描かれます。彼は、暗殺によって王位を奪うものの、愛する妻を失い、命が風前の灯火となる様子が語られています。斉木は、悲劇的な状況の中に明るい希望の光を見出そうとします。「このセリフを書いたのは、愚かな人間を全力で愛したシェイクスピアだから」と、彼は語りかけます。
また、今公演では全ての役を女性だけで演じるオールフィメールの形式で行われることも話題です。「女性は化ける、化物たちが私たちに悪夢を見せ続ける」と斉木は、現代のシェイクスピアに新たな視点をもたらすことを目指しています。
公演情報
『オセロー』『マクベス』の公演は、次のスケジュールで行われます。
公演は以下のように予定されています。
- - 2025年2月21日(金) 16:00 【オセロー】
- - 2025年2月21日(金) 19:30 【マクベス】
- - 2025年2月22日(土) 12:30 【オセロー】
- - 2025年2月22日(土) 16:00 【マクベス】
- - 2025年2月22日(土) 19:30 【オセロー】
- - 2025年2月23日(日) 12:30 【マクベス】
- - 2025年2月23日(日) 16:00 【オセロー】
- - 2025年2月23日(日) 19:30 【マクベス】
- - 2025年2月24日(月・祝) 12:30 【オセロー】
- - 2025年2月24日(月・祝) 16:00 【マクベス】
- - 2025年2月25日(火) 12:30 【マクベス】
- - 2025年2月25日(火) 16:00 【オセロー】
公演は75分程度で、開場は開演の20分前です。
チケット情報
チケットはカンフェティにて好評販売中で、一般は4,200円、U25は3,000円、高校生以下は1,000円とリーズナブル。さらに、枚数限定で指定席引換券が3,300円で入手可能な情報もあります。この機会をぜひお見逃しなく。 【
チケット購入はここから!】
この劇団の独自の取り組みとシェイクスピアの名作が交差する瞬間を、ぜひお楽しみに!