新たなモデルが開く漁業の未来
愛知県常滑市に新風を吹き込むスタートアップ「ウミト・プラス」が、ノリ養殖という地域産業の最前線で注目されています。名古屋商科大学ビジネススクールの修了生グループが設立したこの企業は、AIとドローンといった先端テクノロジーを駆使し、漁業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進しています。
この取り組みの核心は、カモによる食害を防ぐことです。常滑市の鬼崎漁協は、名古屋からほど近いノリの生産地として知られていますが、カモの被害が深刻な課題となっています。「ウミト・プラス」は、この課題に立ち向かうため、海上カメラでカモを検知し、AIが解析。その情報をもとにドローンが自動で飛行し、カモを追い払う仕組みを作り出しました。これにより、人手に頼らない省人化と生産性の向上が実現します。目標は、被害量を最大で80%削減することです。
スタートアップのメンバーの一人である納谷沙織さんは、宇宙ベンチャーでの経験を経て、「水産業が直面する構造的な問題に真剣に向き合うことが重要だ」と考え、このプロジェクトに取り組むことになりました。彼女は、「トライアンドエラーを重ねながら生産量を増加させ、日本の高品質な海苔を世界に届けたい」と展望を語ります。これは、単に技術革新の枠を超え、日本の水産業再生に寄与するための強い情熱の表れです。
また、彼女は経営に関するスキルも磨き続けてきました。名商大ビジネススクールで学ぶことを決意した背景には、事業拡大に伴う経営不安がありましたが、学びを通じて短期・中期・長期の戦略構築能力、財務的根拠に基づく資料作成力、論理的なプレゼンテーション力を習得。修了後も教授陣からのサポートを受け、新たな人的ネットワークを築いています。それが現在の事業推進の支えになっているといいます。
「ウミト・プラス」の事業モデルは、大学教育、起業家育成、地域産業支援、テクノロジー導入を組み合わせた新しい形の成功事例として、今後の展開が非常に期待されています。再生可能な水産業の実現に向け、彼らの試みから目が離せません。
名商大ビジネススクールは、土日に MBA を取得できるプログラムを提供し、社会人に向けた実践的な経営教育を展開しています。税理士養成課程などもあり、幅広いコースを用意。また、三大国際認証を取得した唯一のトリプルクラウン校として、国内外で高水準の評価を受けており、国際的なビジネス環境においても確固たる地位を築いています。