双日とJOGMEC、豪州ガリウム生産に向けた新たな一歩
双日株式会社(以下、双日)は、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)と共に、オーストラリアにおけるガリウムの生産を目指した共同調査を開始しました。これは、米国の大手アルミナ生産者であるAlcoa傘下の豪州法人との合弁事業を通じて実施されるものです。これにより、持続可能で安定的なガリウム供給が期待されています。
共同調査の背景と目的
ガリウムは、半導体、LED、太陽光発電セルなど、近年の技術革新において重要な役割を果たす元素として注目されています。日本においても、政府が重要鉱物の一つに位置付けているこの資源は、需給の安定化が求められています。そのため、双日とJOGMECは長期的な供給体制を確立するための共同調査に乗り出しました。
この共同調査の対象となるのは、Alcoaが運営する西オーストラリアのアルミナ精錬所です。本事業では、これらの精錬所からガリウムを副産物として生産するための設備を共同開発し、2025年末までに最終投資判断を下す予定です。実現すれば、2026年には安定的な生産が開始される見込みです。
ガリウムの特性と市場の需要
ガリウムは自然界で単体鉱石としては存在しないため、ボーキサイトや亜鉛鉱石に微量に含まれ、副産物として取り出されます。これまでの精製産業の中で、副産物としてのガリウム生産が進んできた歴史を踏まえ、本プロジェクトも同様の手法を採用します。
デジタル化の進展とともに、半導体の需要はますます高まっており、世界的にガリウムの需要拡大が見込まれます。双日は、この市場の変化に対応した資源の安定供給を実現することで、経済的にも環境的にも持続可能な社会を目指します。
事業の今後と期待される影響
双日とJOGMEC、Alcoaの3者が連携して進めるこの事業は、ガリウム供給の新しいサプライチェーンを構築し、長期的な安定供給を目指します。特に、デジタル化とカーボンニュートラルの実現に向けた社会的な要求に対しても、重点を置いて取り組んでいます。
双日は、今後も金属・資源分野での多様なニーズに応じた供給体制を構築し、今後の成長を支え続ける企業であり続けることを目指します。
Alcoaについて
- - 会社名: Alcoa of Australia Limited
- - 設立: 1961年6月
- - 所在地: Level 2, 235 St Georges Terrace, Perth, WA 6000, Australia
- - 代表者: Elsabe Muller
- - 主な事業内容: ボーキサイトの採掘、アルミナ・アルミニウムの生産
このように、双日とJOGMECの協力により進められる新たなガリウム生産の取り組みは、将来の市場需要にお応えする重要な一歩となるでしょう。