国内初のUFC道路橋床版の導入で工事が一変！交通規制を最小限に

国内初のUFC道路橋床版導入

東京をはじめとする多くの地域で、交通インフラの整備は急務です。名神高速道路では、鹿島建設が行う革新的な工事が話題となっています。なんと、国内初となる「UFC道路橋床版」が高速道路の床版取替工事に導入され、これまでの常識を覆す施工方法が実現しました。

UFC道路橋床版とは

UFC（超高強度繊維補強コンクリート）は、特殊な鋼繊維を用いた高耐久性を誇るコンクリートです。この技術を活用した道路橋床版は、薄くて軽量にも関わらず、優れた耐久性と疲労耐久性を備えています。そのため、床版の取替に伴う補強工事を最小限に抑えられる点が大きな魅力です。

交通規制をほぼゼロに

今回の工事では、名神高速道路の河内橋において、幅員方向に分割した床版取替工事が行われました。通常なら、2車線の道路を全て閉鎖することが必要になりますが、今回の工事では片側車線だけの規制で済みました。これにより、交通の利便性が確保され、利用者にとってのソーシャルロスが大幅に減少しました。

技術開発の背景

UFC道路橋床版の開発は2011年から始まりました。従来の床版取替工事においては、既設の鉄筋コンクリート（RC）をプレストレストコンクリート（PC）に取り替える際、厚さと重さが増すため、舗装の増厚や鋼桁の補強工事が必要でした。この課題を解決するために、鹿島建設は阪神高速道路株式会社との共同開発を進め、2018年には実際の工事に導入しました。

施工の様子

今回の工事では、2期にわけて片側1車線を通行させながら、床版を取り替えることに成功しました。具体的には、一期工事で追越車線側の床版を取り替え、二期工事で走行車線側の床版を作業しました。このような工事方式は、非常に難しい技術的挑戦でもありましたが、定着突起を利用し、両床版をしっかりと一体化させることで実現しました。