2025年度ピティナ特級ファイナリスト、才能が集結
2025年8月19日に行われた第49回ピティナ・ピアノコンペティション特級セミファイナルにおいて、4名のファイナリストが決定しました。これらの若き才能は、8月22日に東京・赤坂のサントリーホールで開催される特級ファイナルへ進出します。この特級は一般社団法人全日本ピアノ指導者協会が主催するピアノコンクールの最高位であり、国内外で数多くの優秀なピアニストを輩出しています。
特級ファイナリストは以下の4名です。
- - 加藤皓介(東京都杉並区、桐朋学園大学1年)
- - 高見真智人(愛知県名古屋市、東京音楽大学大学院1年)
- - 津野絢音(東京都新宿区、東京音楽大学4年)
- - 稲沢朋華(香川県三豊市、桐朋学園大学4年)
世界の舞台へ挑む登竜門
毎年、約3万人が参加するこのコンクールは、世界最大級のピアノコンクールとして知られています。「特級」は国内コンペながら、国際舞台で通用するピアニストの育成を目指しており、課題や日程は国際コンクールを意識して設定されています。過去には阪田知樹や角野隼斗、鈴木愛美が国際的に評価されるピアニストとして輩出されています。
2025年度は、115名のエントリーから始まり、厳しい予選を経て、最終的に選ばれたファイナリストがセミファイナルで熱い演奏を繰り広げました。特に、セミファイナルでは室内楽課題を含むリサイタルが行われ、聴衆を魅了しました。演奏者には青木尚佳(ヴァイオリン)、湯浅江美子(ヴィオラ)、三井静(チェロ)といった実力派も加わり、より深い音楽体験が提供されました。
聴衆の声が奏者を支える
特級では順位による本賞の他に、聴衆の支持を基にした「聴衆賞」が存在します。最近ではコロナ禍の影響でオンライン聴衆が増加し、2021年からライブ配信視聴者による投票が新設されました。これにより、より多くのファンが演奏者に応援を送ることができるようになりました。
特級の受賞者には、賞金として合計540万円以上が用意されており、聴衆やオンラインの支持を受けることが演奏者にとって重要な要素となっています。また、いくつかの賞金はクラウドファンディングによるもので、入賞者の海外派遣支援も行われる予定です。
次なるステージはサントリーホール
ファイナルは8月22日(金)に行われ、ピアノ協奏曲の共演が予定されています。指揮は大井剛史、オーケストラは東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団が担当します。演奏の模様はYouTubeで生中継される予定です。
音楽の殿堂での競演に向けて、ファイナリストたちがどのような演奏を披露するのか、多くの音楽ファンが期待を寄せています。近年、ピティナは地域コミュニティとの結びつきを強化する活動にも力を入れており、音楽を通じた豊かな社会の実現に向けた取り組みが注目されています。特級の活動を通じて新たな才能が登場し続けることを願っています。