ソフトバンクが新たな本人確認システムを導入
最近、携帯電話の契約手続きにおいて不正契約が増加している中、ソフトバンク株式会社が新しい本人確認システムを導入することを発表しました。このシステムでは、サイバートラスト株式会社が提供する「iTrust 本人確認サービス」を使用し、マイナンバーカードのICチップを読み取ることで迅速かつ安全な契約手続きを実現します。
ICチップ読み取りで本人確認を強化
2025年夏以降、オンラインでの携帯電話のお申し込み時に「iTrust 本人確認サービス」が順次導入される予定です。このサービスにより、マイナンバーカードのICチップを読み取ることで、国が定める法律に基づく公的個人認証サービスが可能になります。これにより、2026年4月に施行予定の法改正時には、オンラインでの厳格な本人確認が実現されます。また、通常必要とされる基本情報の入力や本人確認書類の撮影が不要になるため、手続きが大幅に簡便化されるのです。
バックグラウンド:増加する特殊詐欺
携帯電話を利用した特殊詐欺の件数は年々増加しており、警察庁の統計によると2024年には認知件数が20,987件、被害額は721.5億円と過去最高となっています。偽造された本人確認書類の使用が確認される中、総務省は新たな本人確認方法の導入を進めています。この新しい法律によって、運転免許証やマイナンバーカードなどのICチップを用いた本人確認が必須となり、ソフトバンクはこの流れに即した形で先らつおきに対応を進めているのです。
導入される技術とその特徴
iTrust 本人確認サービス
このサービスは、ICチップに搭載された電子証明書を用いて公的認証を行います。これにより、従来は郵送や対面で行われていた本人確認をオンラインで行うことが可能になり、業務の効率化やコスト削減につながります。
LIQUID eKYC
Liquidの「LIQUID eKYC」は、自撮り肖像画像とマイナンバーカードまたは運転免許証のICチップ情報を照合するサービスです。この技術により、迅速且つ安全な本人確認が実現され、不正利用へも強い対策がなされます。
メリットと今後の展望
今回の導入により、以下のようなメリットが期待されています。
- - 不正対策:ICチップから得た情報を使って偽造カードの利用を防ぎます。
- - 利便性の向上:申込み時の基本情報入力や書類撮影が不要になり、手続きがスムーズに進むことが期待されます。
- - 審査の自動化:ICチップを活用することで、これまで目視確認に頼っていた審査工程が軽減されます。
今後、サイバートラストやLiquidは、公的認証技術の活用を通じてより多くの利用者が安全で効率的に契約手続きを行えるよう、取り組みを進めていく予定です。利用者の利便性向上と業務効率の改善が見込まれ、安心して利用できる社会の実現が期待されています。
この新たな取り組みは、ただ単に技術を導入するだけではなく、利用者全体の利益に結びつく形で展開されることが重要です。今後の進捗に注目が集まります。