不正アクセスから証券口座を守る新たな試み、Liquidのパスキー活用プラン

不正アクセスから証券口座を守る新たな試み

最近、個人投資家を狙った証券口座の不正アクセスが増加しています。金融庁の発表によると、今年1月から4月の期間で不正取引が3,000億円を超えたとされています。このような状況では、適切なセキュリティ対策が求められます。そこで注目されているのが、株式会社Liquidが提供する新しいプランです。

Liquidの新しいプランとは？

Liquidは、証券業界の不正ログイン対策を強化するために、新しいプランを発表しました。このプランは、スマートフォンやPCと本人を確実に結びつける「バインディング」と、ログイン時に生体認証によるパスキーを活用するというものです。これにより、不正者に知られることの多いIDやパスワード、ワンタイムパスワードを狙ったフィッシング攻撃から、ユーザーを守ることが可能になります。

なぜ今、このプランが必要なのか？

証券口座の乗っ取り事件が多数発生している背景には、フィッシングやマルウェアの影響があります。たとえば、不正者は取引量が少ない株を狙って売買を行い、自らの口座で高値の売り注文を出すことで利益を得る手口が報告されています。こうした不正行為は、被害者に大きな損失をもたらします。

現在の不正ログイン防止策とその限界

一般的に、証券業界では多要素認証が導入されていますが、依然としてフィッシングによるリスクが存在します。日本のフィッシング対策協議会によれば、ワンタイムパスワードは盗まれる事例が多数発生しており、特にリアルタイムフィッシングによる不正送金被害が2019年に急増しています。また、米国のNISTやCISAもワンタイムパスワードのリスクを指摘し、より安全な認証手段の使用が求められています。

Liquidのパスキーとは

Liquidが提案する「パスキー」は、スマートフォンやPCに登録された情報に基づいて、本人確認を行い、顔認証や指紋認証でログインを可能にします。この仕組みにより、IDやパスワードを入力することなく、利便性が高く、フィッシングに強いセキュリティが実現します。

バインディングの役割

このプランのもう一つの重要な要素が「バインディング」です。口座開設時に確認された氏名や生年月日、顔の情報と、スマートフォンの持ち主の情報を突き合わせることで、不正な第三者による口座の悪用を防ぎます。具体的には、本人確認書類のICチップや、自撮りの顔画像を使用して照合を行います。

コストと今後の展開

このパスキーおよびバインディングのサービスは、非常にお手頃な価格で提供されており、1ユーザーあたり月額1円から利用可能です。Liquidは、今後も生体認証技術とデータ解析技術を活かして、より一層強化されたセキュリティサービスを展開していく予定です。これにより、個人投資家の安全な取引環境が整備されることが期待されます。