獣医療の災害対策
2025-06-04 11:34:11

東京都獣医療業界、災害時の互助システム構築で未来を守る

災害時こそ大切なペットとともに


現代社会において、ペットは私たちの大切な家族の一員です。しかし、自然災害が頻発する中で、ペットとその飼い主の安全を図ることが急務とされています。そんな中、東京都獣医師会と株式会社VETONSが締結した「獣医療業界における災害互助システム構築に関する連携協定」は、獣医療支援体制の未来を切り開く新たな取り組みとして注目されています。

取り組みの背景


この取り組みが始まった背景には、令和6年の能登半島地震での経験があります。当時、被災地におけるペットと飼い主の厳しい状況を目の当たりにしたVETONSは、災害時における獣医療と支援体制の強化を決意しました。今後想定される大規模な地震などに備え、途切れることのない獣医療を実現するために本協定を結んだのです。

この協定の中心には、以下の3つの柱があります。
1. ペット防災の推進
平時から防災と獣医療の連携体制を整備し、災害発生時にもペットと飼い主が共に安全に過ごせるよう努めます。

2. 被害状況の可視化
動物病院の被災状況を瞬時に把握し、必要な支援がどのように行われるかを共有できる仕組みを構築します。

3. 相互支援体制の構築
東京都内の動物病院同士が協力し合い、災害時には互いに支援し合えるネットワークを形成します。

未来の展望


この協定の実施を皮切りに、VETONSは全国の地方獣医師会との連携を進めていく方針です。対応体制が整ったのち、地域ごとのニーズに即した支援を行い、引いては全国規模での災害対応ネットワークの構築に寄与していく予定です。

特に注目なのは、一般飼い主向けに開発予定の防災アプリケーションです。このアプリには、避難所情報や自治体の連絡先、災害時のペットの安否確認機能などが搭載され、平時からの活用が期待されています。これにより、飼い主が災害時に冷静に行動できるようにサポートします。

先進的な取り組み


東京都獣医師会の会長である上野弘道氏は、今回のプロジェクトが「全国でも類を見ない先進的な試み」と評価しました。彼は、動物病院が協力し合うことで、より早く、より的確な支援が可能になると強調しています。加えて、東京都議会議員の早坂よしひろ氏は、「ペットは家族同然であり、動物の命を守ることは、心を守ることにつながる」と述べ、この取り組みが求められる理由を説明しました。

RIMOTとは


このプロジェクトを支えるのが、獣医療機関向けに開発された災害互助支援プラットフォーム「RIMOT」です。テーマは、災害時の秩序ある獣医療支援と情報共有を実現することで、被災地におけるスムーズな医療提供が可能となることです。RIMOTの中には、獣医師の被災状況をマップ上に反映する機能や、連絡網を瞬時に利用できる仕組みなど、多彩な機能が備わっています。

結論


獣医療現場から始まるこの取り組みは、ペットとその飼い主が安心して暮らせる未来を目指しています。東京都獣医師会とVETONSの連携により、多くの人と動物が共生し、助け合う社会の構築が期待されています。今後の展開にも目が離せません。


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