シニア世代の生活不安に関する調査
最近、シニア専門のマーケティングプラットフォーム「コスモラボ」が実施した調査によると、50歳以上のシニア層が抱える生活の不安や悩みの内容が明らかになりました。この調査では、健康、経済、介護、家族関係、住まいといった幅広いテーマについて、441名のシニアが回答しています。ここで浮き彫りになったのは、シニア世代が直面する深刻な課題です。
健康面の懸念
調査結果で特に目を引くのは「健康面に対する不安」(83.7%)が圧倒的な数値で、多くのシニアが心配を抱えている実態が浮かび上がりました。健康は他の生活領域に大きな影響を与える基盤であり、体力や筋力の低下(63.9%)や視力・聴力の衰え(42.6%)、さらには記憶力や認知機能の低下(39.7%)など、身体的変化に対する不安が多くのシニアに共通する課題です。
経済的な不安
次に、経済面に対する不安も深刻で、「物価上昇」(63.3%)や「老後資金の不足」(59.6%)が多くのシニアが感じている懸念点となっています。物価の変動は多くのシニアに直接的な生活コストの圧迫をもたらしており、今後の経済的安定が危ぶまれています。さらに、予期せぬ出費に対する不安を抱えているシニアも多く、経済的なリスクが生活設計に与える影響を無視できません。
デジタル格差の問題
また、日常生活における「デジタル機器やインターネットの利用の難しさ」(59.9%)が最も多い困りごととして浮かび上がり、シニア世代のデジタル格差が顕在化しています。現代社会におけるデジタルの進展にもかかわらず、約6割のシニアがこの領域での活用に困難を感じており、情報の取得や社会参加における機会格差が広がっていることが深刻な課題として浮き彫りになりました。
介護・終活の不安
介護や終活に対する不安も多くのシニアにとって重要なテーマです。「介護にかかる費用の負担」(49.7%)が最大の懸念であり、自己負担の部分や介護保険制度に対する不信が影響しています。生前整理や家族への介護負担について心配する声も多く、安心した老後生活を望むシニアのニーズが高まっていることが伺えます。
生活改善への意識
調査の結果から、シニア世代は健康を維持するために「規則正しい生活リズム」(59.9%)や「バランスの取れた食事」(58.7%)、さらに「適度な運動」(56.0%)を心がけていることが分かりました。基本的な生活習慣を意識し、高い健康意識が見て取れます。このような取り組みがシニア世代の健康を支え、様々な生活課題を克服するカギとなるでしょう。
今後の支援策に向けての提案
この調査結果は、シニア世代の生活課題が健康を中心とした複合的なものであることを示しています。今後、健康支援やデジタル格差解消、経済安定の確保、そして社会参加の促進に向けた包括的なアプローチが求められます。企業や地域社会が協力し、シニアに寄り添ったサービスや支援策を展開していくことが、より良い生活環境を形成するための重要な一歩となるでしょう。
最後に
コスモラボでは、シニアに特化したさまざまなテーマの調査レポートを公開しています。健康や安全、消費傾向など、多面的な視点から「今どきのシニア像」を捉えており、今後のリサーチへの関心も高まります。この機会にぜひご覧ください。