企業資産の36%が脆弱性ゾーンに位置する現実と対策の必要性
EYの最新調査「EYグローバル・サイバーセキュリティ・リーダーシップ・インサイト調査2026」において、企業資産の約36%が脆弱性ゾーンにあることが明らかになりました。この「脆弱性ゾーン」とは、セキュリティ対策や資産の可視性が不十分な領域を指します。この調査は128カ国、17業界の840人の経営層とサイバーセキュリティ責任者を対象に実施されました。
企業に潜む脆弱性
調査によると、70%のサイバーセキュリティ責任者が「最も重大なサイバーリスクは死角に存在する」と認識しています。特にリスクが高い領域としては、OT(運用技術)や物理資産が57%、サードパーティのエコシステムが49%、AIシステムやツールが47%とされています。これらの領域は企業のデジタル化やAIの普及に伴い、その重要性が増しているにもかかわらず、十分な可視性やセキュリティ対策が整っていないことが課題です。
AI時代のレジリエンス再定義
AIの進化により、攻撃者が脆弱性を迅速に発見・悪用できるようになっています。もはや重要資産のみを保護すれば良いという従来のアプローチでは不十分で、組織全体のリスクを見渡し、包括的なレジリエンスを構築する必要があります。それには、脆弱性の蓄積状況を継続的に把握し、それに応じた迅速な対応が求められています。
セキュアクリエイターの特徴
調査では、サイバーセキュリティの成功例として「セキュアクリエイター」という企業群が挙げられています。彼らは脆弱性ゾーンの資産割合が平均30%に留まる一方で、他の企業は42%に達します。これらの成功企業には共通した3つの特徴があります。まず、組織全体の資産や依存関係を可視化しており、AIシステムやサードパーティ、物理資産についてもリスク把握に努めています。
次に、サイバーセキュリティを全社的な戦略に統合している点です。サイバーセキュリティをIT部門だけの問題と考えず、事業継続計画や経営戦略と関連付けて実施しています。最後に、AI時代に対応するために継続的な改善体制を整えていることも特徴です。
今後の展望
EYのテクノロジーコンサルティングサイバーセキュリティのリーダー、小川真毅氏は、今回の調査結果が日本の多くの組織に対して脆弱性管理の見直しを促していると指摘します。特にフロンティアAIの進化に伴い、従来は見落とされがちだった小さな脆弱性や過去の資産が新たなリスクの要因となることがあるため、積極的な可視化の取り組みが求められます。
この調査は、企業がAI時代の急速な進化に対応し、より安全なビジネス環境を構築するための指針を示しています。今後は、AIを駆使した新たな対策やリスク管理の強化がますます重要になってくるでしょう。
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