マレーシアと共同で液化CO2輸送船の合弁会社設立へ

商船三井とマレーシアの共同プロジェクト

株式会社商船三井（以下、商船三井）とマレーシアの国営エネルギー企業PETRONASグループが、液化CO2輸送船の開発に向けた新たな合弁会社を設立しました。このプロジェクトの目的は、環境問題への対応を強化し、国境を超えた持続可能なソリューションを提供することです。この革新的な取り組みは、カーボンニュートラル社会の実現に向けた一環として位置づけられています。

合弁会社「Jules Nautica Sdn. Bhd.」を通じて、商船三井はマレーシアの企業、PETRONAS CCS Ventures Sdn. Bhd.（PCCSV）およびMISC BERHADと協力します。共同で、タンク容積62,000m³を備えた液化CO2輸送船の基本設計（FEED）を完了したことも大きな進展です。この船は、ノルウェー船級協会（DNV）からも承認を受けており、最先端の低圧低温設計を採用しています。

合弁会社設立の背景

この合弁会社の設立は、環境に対する深刻な問題を解決する上で重要なステップとなると考えられています。PCCSVの最高経営責任者、エムリー・ヒシャム・ユソフ氏は、「この合弁会社の設立は、私たちの地域における脱炭素化の取り組みを推進するための重要な一歩です。各社の強みを活かし、効率的な輸送ソリューションの開発に貢献していく」と強調しています。

また、MISCの代表取締役社長、ザヒド・オスマン氏も、確固たる持続可能なエネルギーの未来を築くためにこの提携が寄与することを期待しています。「エネルギー転換は新たな進歩を促すものであり、同じビジョンを抱くパートナーとの協力が不可欠です」とコメントしました。

商船三井の社長、橋本剛氏は「この合弁会社は越境CCS（Carbon Capture Storage）プロジェクトにおける重要な役割を果たし、アジア太平洋地域全体での脱炭素化をリードするもの」と述べています。

持続可能な未来に向けた取り組み

本プロジェクトは、商船三井が掲げる経営計画「BLUE ACTION 2035」とも密接に関連しており、グループ全体での低炭素事業拡大に寄与するものです。サステナビリティを重視する企業として、商船三井は人々と社会、地球の持続可能な発展に貢献し、豊かな未来を築くことを目指しています。

このような国際的な連携を通じて、交通手段としての海運が持つ重要な役割が改めて認識されつつあります。未来志向のビジョンを持ったこの取り組みは、地域社会だけでなく、グローバルな視点からも環境問題解決に向けた意義深い意味を持つといえるでしょう。今後の進展が期待されます。