岡山大学の沈建仁教授が小林賞を受賞!光合成研究の最前線
国立大学法人岡山大学から、嬉しいニュースが届きました。異分野基礎科学研究所の沈建仁所長・教授が、公益財団法人小林財団から「第6回(令和6年度)小林賞」の受賞者に選ばれました。この賞は、独創的かつ顕著な成果を挙げた国内の研究者を表彰するもので、特に医学や農学など生命科学の分野での成就が期待される研究が対象となっています。
沈教授の受賞理由は、光化学系複合体に関する一連の光合成研究が評価されたことです。具体的には、シアノバクテリアから分離した光化学系II(PSII)複合体の高解像度構造解析を行い、水分解と酸素発生に関与する重要なマンガン・カルシウムクラスターの構造を明らかにしました。この研究は、光合成のメカニズム解明に寄与するものであり、未来の人工光合成に向けた道筋を示すものです。
光合成研究の今後の発展に期待
沈教授は、超高分解能構造解析を行うためにX線結晶解析手法やX線自由電子レーザー(SACLA)を駆使し、光化学系と集光性アンテナタンパク質からなる複合体のエネルギー捕集メカニズムをもクライオ電子顕微鏡を用いて解明しました。これにより、天然の光合成プロセスの奥深くに迫ると同時に、人工的な触媒合成への重要な指針を提供しました。
受賞が発表されると、沈教授は「これらの成果が評価されたことを大変嬉しく思います。多くの共同研究者に感謝し、今後も研究を続けていきます」とコメントしています。このような言葉からも、謙虚な姿勢とともに、研究への情熱が伝わってきます。
そして、岡山大学の那須保友学長も受賞を喜び、「沈所長の研究は『世界を先導する』という域に達している」と評価しました。大学としても、今後さらに支援を行い、研究形態をさらに推進していく意向を示しています。
地域中核研究大学としての強み
岡山大学では、文部科学省の支援を受けた「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」に採択され、長期的なビジョン「地域と地球の未来を共創し、世界の革新に寄与する研究大学」の実現に向けて邁進中です。沈教授が率いる先鋭研究院の基盤と発展により、社会に必要とされる研究を戦略的に進めていくことが期待されています。
受賞式は2025年2月27日に大阪市で行われる予定。この重要な瞬間に立ち会えることも一つの楽しみです。人類の未来を築く研究に、岡山大学がどのように寄与するのか、今後がますます注目されます。沈教授と岡山大学のさらなる挑戦に期待しましょう。