イーセップ社が新たなセラミック分離膜技術でカーボンニュートラル Society を目指す

新たなセラミック分離膜技術の可能性

イーセップ株式会社は、セラミック分離膜の開発を通じて、2050年のカーボンニュートラル実現に向けた重要な一歩を踏み出しています。「HIRAC FUND」がこの企業に出資することで、そのミッションがさらに加速されるでしょう。

背景と目的

カーボンニュートラル社会の実現は今や社会の重要な課題となっています。日本の産業界では、特に化学産業が全体のCO2排出の15.4%を占めており、その削減が急務です。化学物質を分離するために使用される巨大な設備や、その動作に伴う膨大なエネルギー消費は、この問題の核心と言えるでしょう。

イーセップは、これらの課題に真剣に取り組むスタートアップ企業であり、「化学プロセスを小型化・省エネ化する」ことを目指しています。彼らが開発したナノセラミック分離膜技術は、化学産業における分離工程の革新を可能にし、カーボンニュートラルへ向けた新しい道を切り拓くものです。

イーセップの技術

イーセップが注目すべきポイントは、メンブレンリアクター（膜反応器）にあります。これは化学反応と分離を同時に行えるもので、化学プロセスを小型化し、現場での運用を可能にします。これにより、特殊な環境が不要で、さまざまな生産現場での利用が期待されています。また、工場の化学溶剤リサイクルやCO2からグリーン水素を用いて効率的にCNメタノールを生成する技術の開発も進めています。

このCNメタノールは、CO2のリサイクルに寄与し、水素キャリアとしての役割を果たすことも期待されるため、水素社会の実現にも貢献します。