群馬県の秘境、野栗沢温泉すりばち荘の後継者を募集しています

すりばち荘の成り立ちと魅力

群馬県の多野郡上野村にある「野栗沢温泉すりばち荘」は、自然豊かな環境に囲まれた落ち着きのある宿泊施設です。ここは、約40年前に創業された歴史ある民宿。初代の黒澤さんのお父様が、当初は野栗沢神社近くの山間で営業を開始しましたが、その後、村内のダム建設に伴い、現在の場所へと移転しました。これにより、温泉を楽しむ宿泊者は多くの自然の魅力に触れることができるのです。

「野栗沢温泉すりばち荘」という名は、山の上から見下ろすとすりばちのような形をしていることに由来しています。この独特の名前も、観光客に親しまれる要素の一部となっています。また、周辺には「すりばち学校」と呼ばれる小学校が存在し、地域の地形が名称に影響を与えていると考えられています。

黒澤さんのこれまでの歩み

民宿の運営は、黒澤さんが高校を卒業後に料理の道に進み、約5年間の会社員生活を経て、地元事業の手伝いから始まりました。料理人としての経験を活かし、両親と共に運営を行っていた黒澤さんは、手作りの料理で多くのリピーターを獲得し、宿泊者や食事を楽しむ地域の方々から愛される存在になっていました。

特に、黒澤さんのお母様が提供された手作りの煮物は評判で、宿泊者がリラックスできる空間を提供していました。しかし、16年前にお母様が亡くなると、黒澤さんが中心となり、民宿を再構築し、メニューも新たに整えました。今では、自家製の豆腐を作る機械もあり、さらに魅力ある料理を提供できる体制が整っています。

現在の状況と後継者募集のきっかけ

実は、黒澤さんのこの民宿は、約2年間の期間休業状態にありました。その理由は、両親と34年にわたり一緒に運営してきた民宿を継承してくれる方を探さなければならないという思いからです。村の商工会からのアドバイスを受け、後継者を探す活動が始まりました。「野栗沢温泉すりばち荘」の廃業を避けるために、地域密着型の経営ができる方を求めています。

募集要件

後継者の条件としては、地域に根ざした運営を行ってくれる方、高齢者の多い地域なのでコミュニティに積極的に参加できる方が望まれています。また、調理経験があれば、飲食店としても営業できる柔軟な運営が可能なため、宿泊施設と食堂が別棟でつながっていて、昼間は食堂、夜は飲酒を提供する飲食店としての営業も見込まれています。

黒澤さんは「土地に詳しく、親切な道案内ができる人」であれば、リピーターのお客様を大切にできると考えています。さらには、商工会への加入を通じて、地域とのネットワークを広げていくことも期待されています。