社会課題解決に挑んだPLAYERS、2025年9月で活動終了へ
一般社団法人PLAYERSは、2017年の設立以来、社会課題に立ち向かうプロトタイピングチームとして、多様なステークホルダーとの共創を通じて数々のプロジェクトを手掛けてきました。しかし、2025年9月に法人としての活動を終え、解散することが決まりました。本記事では、その背景や活動実績について詳しく見ていきます。
PLAYERSの設立と活動理念
PLAYERSは「一緒になってワクワクし、世の中の問題に立ち向かう」をスローガンに掲げ、社会課題をテーマに活動を展開してきました。設立から7年間で、企業や自治体、非営利団体との共創による50以上のプロジェクトを実施し、実社会に役立つソリューションを提供しました。
解散に至った背景
これまでの活動において、PLAYERSが培った「事業創造メソッド」は、インクルーシブデザインや共創型事業開発を推進するうえで多くの企業や団体に貢献してきました。しかし、組織のリソース配分や運営体制の持続性を見直した結果、一定の役割を果たしたと判断し、今回の解散が決まりました。今後は、メンバーがそれぞれの現場でプロトタイピングによる課題解決を続けていくとのことです。
主な活動実績
PLAYERSの活動の中で特に注目すべきプロジェクトをいくつか紹介します。
「&HAND」(2017年)
このプロジェクトは、妊婦や障害者など外出時に手助けを必要とする人と、サポートしたい周囲の人をマッチングするシステムです。ユーザーはビーコンドデバイスを携帯し、支援が必要な時にONにすると、周囲のサポーターにLINEでサポート依頼が届きます。このシステムにより、障害者が安心して外出できる環境が整いました。
「視覚障害者からの問いかけ」(2020年)
オンラインで開催されたこのワークショップでは、視覚障害者と健常者が互いの思いを深く考え合う機会を提供しました。参加者は、視覚障害者の問いかけに耳を傾けつつ、自らの内面を探求することで、見えない壁を理解し、新たな視点を得ることができました。
「ミズノケーンST」(2022年)
軽量で振りやすい白杖であるミズノケーンSTは、PLAYERSがプロトタイピングを通じて開発した製品です。この製品は、当事者との共同制作により社会課題を解決し、グッドデザイン賞などを受賞しました。2022年3月からはミズノの商品としても販売が開始され、多くの支持を集めています。
解散後の情報公開とナレッジの継承
PLAYERSの活動やプロジェクト実績は、公式Webサイトや関連アーカイブで引き続き公開されます。また、プロジェクトごとのドキュメントやデータは、連携団体や研究機関と共有され、新たな社会実装に生かされる予定です。
最後に
7年間にわたる活動を支えてくださった企業、団体、個人の皆様に感謝の気持ちを伝えたいと思います。PLAYERSは解散しますが、「共創から社会を変える」という理念は、メンバーそれぞれのフィールドで生き続けます。今後の活動にもぜひ、ご注目とご支援をお願いいたします。