慶應イノベーション・イニシアティブとEco-Porkの提携
慶應イノベーション・イニシアティブ(KII)は、養豚事業者向けのデジタルトランスフォーメーション(DX)ソリューションを提供する株式会社Eco-Porkに出資を行いました。これにより、Eco-Porkは総額2億円を調達し、米国進出を一層強化することが期待されています。
Eco-Porkの目指すもの
Eco-Porkは、食料問題の解決策を模索するデータカンパニーとして、養豚の生産性向上と環境負荷の軽減を両立させるためのデータソリューションを提供しています。特に、養豚業界においては生産者の高齢化や人手不足が顕著であり、その対応として大規模化が進む中、業務の煩雑さが課題となっています。
このような状況を受けて、Eco-PorkはIoTやAI技術を駆使した生産管理システム「Porker」、「ABC」、さらには「DX豚舎」を開発しました。これにより、養豚業界の効率化と働き手の負担軽減が図られるのです。
米国市場への進出と新たな展望
今回の資金調達を踏まえ、Eco-Porkは米国市場での期待が高まる中、プロダクト開発や企業体制の強化を進めていきます。米国の養豚市場は日本の約10倍の規模を誇り、年間1.8億頭が出荷されています。さらに、大規模な自営農家や、食肉会社が所有する農場へのシフトが進んでおり、Eco-Porkはこの市場参入を視野に入れています。
「ABC」という国際展開用のシステムを中心に、グローバルな事業基盤の構築を目指す戦略を描いています。どのような形で食肉の安定供給が実現されるか、そして環境問題の解決がどのように進められるか、それが今後の注目ポイントです。
持続可能な畜産業の実現への歩み
Eco-Porkは今後も、養豚業界におけるデジタル化を進めることで、持続可能な畜産業の構築や、食肉供給体制の維持、そして環境保護を両立させることに挑戦し続けます。これによって、効率的で環境に優しい農業が実現されることに期待が寄せられています。
会社概要とKIIの役割
会社名:株式会社Eco-Pork(Eco-Pork co., ltd.)
所在地:東京都千代田区神田錦町3-21-7 2階
代表者:代表取締役 神林 隆
設立:2017年11月
事業内容:養豚事業者向けDXソリューションの開発・提供、養豚に関する研究など
URL:
Eco-Pork
一方、KIIは慶應義塾大学の研究成果を基にしたスタートアップの育成を目的とし、デジタル技術を通じた社会の革新を目指しています。2023年には大学VC初のインパクトファンドを設立し、社会課題の解決に貢献するスタートアップへの投資を強化しています。
まとめ
この出資がEco-Porkのさらなる成長につながり、持続可能な農業の実現に向けて新たな道を切り開いていくことでしょう。食料生産の未来に期待が寄せられています。