住友林業が導くサステナブルな住まい
住友林業株式会社が、10月10日に発表した「ウッドデザイン賞2025」において、全6点の受賞を達成し、11年連続での受賞記録を更新しました。この賞は、木の特性や価値をデザインで再構築し、優れた建築や製品、活動を評価・表彰するものです。
受賞の基盤には、持続可能な社会実現に向けた様々な取り組みが存在します。特に「ウッドデザイン」という理念のもと、住友林業は「グリーン経営」を通じて、木材の可能性を最大限に引き出す新たな住宅モデルを提案しています。
受賞作品の概要
受賞した作品の一つ、「みどりのの庭」は、住友林業が設計・施工した6階建ての社宅です。木造とRC造を組み合わせた混構造を採用し、設計の合理化を図ることで、建設コストの削減と工期の短縮を実現しました。また、このプロジェクトは「木造混構造中大規模集合住宅」のモデルケースとして広く普及することを目指しています。
この建物は、耐火性能と木の質感を両立させるオリジナルの木質耐火部材「木ぐるみCT®」を初めて使用したことでも話題となりました。
環境への配慮
住友林業は、新たな長期ビジョン「Mission TREEING 2030」に基づき、森林のCO₂吸収量を増加させ、木造建築の普及を通じて、社会全体の脱炭素に寄与することを目指しています。実際、「みどりのの庭」の建物全体では322m³の木材が使用され、267.239トンのCO₂を固定することが可能です。
最新技術の採用
他にも、住友林業は「丸太打設軟弱地盤対策&カーボンストック工法」を共同開発しました。この工法は、丸太を圧入して地盤を補強し、同時に炭素を地中に蓄積することで、環境への配慮を兼ね備えています。
さらに、木とコンクリートを組み合わせた合成梁構法も開発しており、これにより長大なスパンを支えながらも建物の高さを低減し、コスト削減にも寄与しています。
コミュニケーション分野での貢献
住友林業の「自然共生のインターフェイス(巣箱編)」も特筆すべき受賞作品です。内装建材の製造過程での不適格品をアップサイクルし、巣箱へと再生するこの取り組みは、生物多様性の保護や環境への意識を高めることが期待されています。
未来の住まいづくり
住友林業の取り組みは、単に賞の獲得に留まらず、私たちの暮らしや地域社会におけるサステナブルな未来を具現化することを目指しています。木の力を活用した住まいづくりは、環境問題の解決に向けた重要なステップであり、さらなる発展が期待されます。住友林業のこれからの成果にも、ぜひ注目しましょう。