岡部株式会社、型枠一本締め工法が受賞
岡部株式会社が、鹿島建設や丸久、楠工務店との共同開発による「型枠一本締め工法」で第54回日本産業技術大賞の審査委員会特別賞を受賞しました。この受賞は、岡部株式会社にとって初めての快挙であり、型枠工法の革新を象徴するものです。
型枠一本締め工法は、コンクリート造の建物や土木構造物における型枠工事の新しい手法であり、1951年から使われている在来工法から約70年ぶりに開発されたものです。従来の工法は鉄製のパイプを2本使用して専用金具で緊結するものでしたが、新しい方法ではアルミ製のパイプを1本使用し、より軽量化され、作業負担の軽減が図られています。
新工法の特徴と利点
型枠一本締め工法は、特に高齢化が進む熟練技能者や経験の少ない建設技能者の作業を支援するために設計されています。新たに開発されたパイプジョイントや型枠緊結金具「ネクスタイ」が、軽量化・簡素化を実現し、生産性向上だけでなく安全面でも十分な対策が講じられています。この新技術は、現場の様々な課題に具体的に応えるものであり、審査委員会から高い評価を得ました。
また、型枠一本締め工法は2024年5月末に鹿島建設が発表する予定であり、同年8月には岡部株式会社からの発売が開始されます。発売後は、展示会におけるレンタル要望も受けており、2025年4月1日にはレンタルサービスも開始される見込みです。
在来工法との比較
以下に、在来工法と型枠一本締め工法を比較したデータを示します。
| 在来工法 | 型枠一本締め工法 |
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使用部材 | 鉄製パイプ2本を専用金具で緊結 | アルミ製パイプ1本を専用金具で緊結 |
重量(35平米あたり) | 約459kg | 約141kg(70%減) |
この比較からも、型枠一本締め工法の優位性が明確にわかります。パイプの本数を削減し、重量を大幅に軽減することで、施工現場での効率が飛躍的に向上します。
今後の展望
岡部株式会社は、今後も建設業界の安全性と利便性を向上させるために、さらなる顧客本位の姿勢を貫きながら、技術革新を進めていくとしています。企業理念として掲げる「安全・安心の提供を通じて社会に貢献する」を実現するため、創造力と人の力を結集させていく考えです。
日本産業技術大賞について
日本産業技術大賞は1972年に設立され、国内における産業技術の向上に貢献する企業やグループを表彰するものです。今回の贈賞式は2025年4月2日に東京・大手町の経団連会館で行われます。
岡部株式会社は、創業から100年以上の歴史を有し、耐震・免震などの建設関連製品事業を展開しています。今後も社会的な貢献を続け、持続可能な未来を目指す姿勢を示し続けることでしょう。