BtoB企業の与信管理と営業機会損失の実態
株式会社ラクーンフィナンシャルが実施した調査により、BtoB企業の経営者や営業責任者が与信管理において直面している現実が浮き彫りになりました。本調査では、経営者、営業および経理責任者を対象に、与信管理の実態に関するデータが収集されました。
調査の背景と目的
企業間取引において未回収リスクを防ぐための与信管理は重要ですが、しばしば機会損失の原因にもなります。特に新規取引先との商談においては、売上拡大と未回収リスク回避とのバランスを取る難しさが課題となります。これを受けて、ラクーンフィナンシャルは調査を行い、与信管理の実態、営業活動への影響を探りました。
調査概要
- - 調査期間: 2026年6月12日~6月13日
- - 調査対象: BtoB企業の経営者・営業責任者・経理責任者
- - 調査人数: 1,000人
- - 調査方法: PRIZMAのインターネットリサーチ
与信管理の実態
調査の結果、与信管理は主に営業部門が行っていることがわかりました。約42.5%が営業部門で兼任しており、30.5%が専任部署を持っています。これにより、多くの企業が業務負担を抱えて運用していることが明らかになり、約3割が専任のリソースを持つ状況です。
新規取引先の与信審査にかかる時間は、約41.7%の企業が2~3営業日を必要としていると答えました。この数日が営業活動の流れを停滞させ、チャンスを逃す要因となることが窺えます。
与信判断の基準
与信判断においては、外部信用情報が重視されており、約51.9%が帝国データバンクや東京商工リサーチを参考にしています。約半数が決算書を重視し、3割が商業登記簿謄本を重要視しています。しかし、これらの情報収集には時間がかかり、業務負担となる懸念もあります。
営業機会の損失
調査回答者の約9割が、与信判断を理由に新規取引を見送った経験があると答えました。具体的には競合他社への顧客流出(32.4%)、営業担当者のモチベーション低下(30.4%)、売上目標未達(30.3%)が挙げられています。特に「顧客流出」は与信管理のジレンマを象徴しています。有望な取引が目の前にあるにもかかわらず、リスクを避けるために手を引くことが、結果的に利益を逃す結果となっています。
与信管理の課題
調査によると、最大の課題として「審査に必要な情報収集が困難」と回答した方が多数を占めました。さらに「審査基準が曖昧」「審査に時間がかかりすぎる」といった意見も見られ、与信管理プロセスの透明性や効率性が求められます。また、営業部門と管理部門間の意見の相違が反映され、コミュニケーションの重要性が再確認されました。
理想的な与信管理体制
企業は与信管理体制の最適化が求められています。調査結果では、「営業機会の損失防止(37.2%)」「キャッシュフローの安定化(35.8%)」「未回収リスクの低減(33.6%)」といった効果を期待しています。企業は売上拡大とリスク管理の両立を目指し、正確な情報や迅速な審査手段を求めています。
まとめ
与信管理の最適化は、営業機会損失を防ぐためにも不可欠です。顧客の信頼を獲得しながら、リスクを管理する体制を整えることが、BtoBビジネスにおいて今後の成長に寄与するでしょう。ラクーンフィナンシャルの調査結果は、与信管理が営業活動に与える影響を示す重要なデータとなっています。効率的な与信管理体制の構築が、競争力を大きく左右することを肝に銘じる必要があります。