トロデルビがTNBC患者に与える希望の光—ASCENT-03試験の成果

ギリアド・サイエンシズの新薬、トロデルビ（サシツズマブゴビテカン）が、再発・転移性のトリプルネガティブ乳がん（TNBC）患者に対し、画期的な小児間治療選択肢として期待されています。2023年5月23日に発表された第III相試験、ASCENT-03の結果は、多くの患者とその家族に希望をもたらすものです。

ASCENT-03試験は、PD-1/PD-L1阻害剤による治療が不適応のTNBC患者を対象にしたもので、トロデルビが化学療法と比べて統計的に有意かつ臨床的に意味のある無増悪生存期間（PFS）の伸びを示しました。この結果は、転移・再発のTNBCの患者を抱える医療現場にとって、大きな進展となります。

TNBCの現状と課題

トリプルネガティブ乳がんは、一般的な乳がんの中でも悪性度が高く、特に治療の選択肢が限られています。ナスダック上場のギリアド・サイエンシズの研究によると、TNBC患者の多くは最初の治療後に次の治療を受けないという状況が続いており、出発点となる治療法の改善が急務です。

スペインのInternational Breast Cancer Centerのハビエル・コルテス医師は、これらの患者の約50％が一次治療後に新たな治療を受けていないと述べ、トロデルビのような革新的な治療法の必要性を強調しています。これまでの化学療法が基盤として用いられてきたこの分野での進歩が、多くの患者や医療提供者のニーズに応えることに繋がると信じています。

ASCENT-03試験の成果

ASCENT-03試験では、540名の患者が参加しました。トロデルビは、化学療法に対する比較において、無増悪生存期間の改善を見せました。主な副次評価項目である全生存期間（OS）に関するデータは、今後の解析が必要であり、引き続きモニタリングが実施されます。安全性プロファイルについても、過去の試験結果と一致しており、新たな安全性シグナルは発見されていません。

ギリアドのチーフ・メディカル・オフィサー、ディートマー・ベルガー博士は、「ASCENT-03試験の結果は、20年ぶりに化学療法に対して臨床的に意味のある進展を示したものです。早期に適切な治療を提供することで、TNBC患者の高い治療ニーズに応える可能性があります」と、期待を寄せています。

未来への道筋

また、ASCENT-04試験の結果が示唆しているように、トロデルビはTNBC患者の一次治療において、全ての患者の治療の基盤となる可能性があります。今後の学会で新たなデータが発表される予定で、将来的にはより多くの患者がこの薬の恩恵を受けられる見込みです。

トロデルビは、過去5年間で50カ国以上で60,000名以上の患者に使用され、概ね一貫した治療成果を示してきました。現在、乾燥性疾患に対する他の第III相試験も進行中であり、私たちの期待はさらに高まります。

患者と家族のために

この治療法は、TNBCに対するアプローチを根本的に変える可能性を秘めています。ギリアドは、研究に参加している患者やその家族、治験責任医師に深い感謝の意を表しながら、さらなる研究と治療の進歩を目指して取り組む姿勢を示しています。まだ多くの課題が残されていますが、トロデルビの成果が未来への希望の光として、多くの患者に届くことを願っています。