タービー®とテクベイリ®の新たな併用療法、多発性骨髄腫に希望の光を
最近、ヤンセンファーマ株式会社(Johnson & Johnson)より、髄外性形質細胞腫を有する再発または難治性多発性骨髄腫に対する新たな治療法が発表されました。これは、二重特異性抗体であるタービー®とテクベイリ®の併用療法であり、製造販売承認の一部変更申請が行われました。この治療法が承認されれば、髄外性形質細胞腫を抱える患者さんにとって初の選択肢となり、多くの期待を寄せられています。
髄外性形質細胞腫とは
髄外性形質細胞腫(EMD)は、多発性骨髄腫の重篤な形態であり、がん化した骨髄腫細胞が骨髄から脱出して軟部組織や臓器に腫瘍を形成する病気です。この病型においては、治療法が限られており、予後が悪化する傾向があります。既存の標準治療では奏効率が低く、再発が早期に来るため、患者さんのニーズが高まっています。
期待される治療効果
提出されたデータによると、タービー®とテクベイリ®の併用療法は、RedirecTT-1試験第II相によって副作用の少ない高い奏効率を示しました。試験結果では、奏効率は78.9%となり、半数以上の患者さんが完全奏効に達しています。また、1年の無増悪生存率は61%を示し、投与後も持続的に効果を表しています。こうした結果は、髄外性形質細胞腫を抱える患者にとって新たな希望をもたらすものであり、多くの患者とその家族の未来に明るさを与えています。
新たな医療の重要性
Yusri Elsayed, M.D., M.H.Sc., Ph.D.は、髄外性形質細胞腫の治療選択肢が乏しい日本において、タービー®とテクベイリ®の併用療法が多くの患者に新たな可能性を提供できると強調しています。
タービー®は、特に多発性骨髄腫において新しい標的であるGPRC5Dと結合するT細胞リダイレクト二重特異性抗体であり、テクベイリ®はBCMAとCD3を標的とする薬剤です。この二つの抗体が相互に作用することで、がん細胞に攻撃を加え、高い治療効果が期待されています。
今後への期待
新たな治療は、特に三種類以上の治療に抵抗性を示す再発または難治性の多発性骨髄腫患者さんにとって非常に重要です。新しい治療選択肢の登場は、患者さんや医療従事者にとって大きな福音と言えるでしょう。私たちは、承認を受けて早期に患者さんに届けられることを強く願っています。これにより、不安を抱える患者やその家族に希望の光が差し込むことが期待されています。
多発性骨髄腫は日本国内において約7800人が新規診断を受け、4300人がこの疾病によって命を落としています。新たな治療法の承認は、医療界の進展のみならず、患者にとっても人生を変える可能性を秘めています。私たち取材班は、この新しい治療法の進展を引き続き注視していきます。