JA常陸とパルシステムの新たな産直協定
2023年10月22日、東京都新宿区のパルシステム生活協同組合連合会と茨城県の常陸農業協同組合(JA常陸)は、産直協定を締結しました。これにより、JA常陸が生産する米を対象に、取引が始まります。この協定は、39番目の産直協定であり、JA常陸の得意とする有機栽培を活かした新しい取り組みとして注目されています。
有機栽培の推進と学校給食の変革
JA常陸は、化学合成農薬や化学肥料をできる限り使わない農業を実践しています。この方法で育てられた農産物は、特に地元の小中学校の給食で活用され、全量が有機栽培米へと切り替わっています。さらに、野菜の30%も有機栽培され、今後は大豆やその加工品など、対象の拡大も見込まれています。
今後、コシヒカリの販売が2026年3月までに開始される予定で、有機栽培の「コア・フード」や、厳しい基準をクリアした「エコ・チャレンジ」といったブランドにも対応できます。集まった米は登録制度を通じて定期的に消費者に届けることも検討されています。
産直協定の背景にある信頼と共感
パルシステムとJA常陸の関係は、共通の理念を持つ「オーガニック給食フォーラム」での活動を通じて育まれました。両組織は、お互いが幸せになる関係を築くことを目指しており、信頼できる団体として取引を希望する声が高まっています。
調印式には、JA常陸の秋山豊代表理事組合長やパルシステムの辻正一専務理事など、多くの関係者が出席しました。秋山組合長は「生産者と消費者が互いに理解し合うことの重要性」を語り、辻専務理事は「持続可能な社会づくりの第一歩を踏み出せたことを嬉しく思います」とコメントしました。
新たな時代を迎える農業
この協定の締結は、JA常陸が目指す持続可能な農業の実現に向けた取り組みの一環として位置づけられます。さらに、食の安心・安全を求める消費者のニーズに応える形で、地域の特産物をより広く届けることが期待されています。将来的には、米をはじめとした多くの品目が、より一層の繋がりを持ちながら取引されることになるでしょう。
パルシステムは、これまで長い間地域社会に根付いてきた協同組合の力を活かすことで、JA常陸とともに新しい食の未来を築いていくことを目指しています。
終わりに
2025年は国際協同組合年として、多くの人々が協同の意義を再認識する年です。JA常陸とパルシステムの取り組みは、地域だけでなく日本全体における農業の未来を照らす重要な一歩であり、今後の展開に大いに期待が寄せられます。