大塚康生展『道楽ものおもちゃ箱』が開催
日本を代表するアニメーター、大塚康生氏の原画やイラストが一堂に会する特別展が、2025年5月7日から17日まで東京造形大学のCSギャラリーで開催されます。この展覧会は、アニメーション界の歴史を紐解く貴重な機会といえるでしょう。
大塚氏は、1931年に島根県で生まれ、1956年に東映動画の第1期生としてアニメーションの世界に飛び込みました。彼は数々の名作に関わり、その作品は今もなお多くのファンに愛されています。しかし、この展覧会が特別なのは、氏の作品が一堂に展示されるのはこれが初めてという点です。『ルパン三世 PART.1』や『未来少年コナン』、映画『ルパン三世 カリオストロの城』の貴重な原画やイラストが見られ、アニメファンにはたまらない内容となっています。
展覧会の実施概要
- - 名称: 大塚康生展『道楽ものおもちゃ箱』
- - 会期: 2025年5月7日(水)―5月17日(土)
- - 時間: 10:00~17:00(最終日は15:00閉館)
- - 休館日: 5月11日(日)
- - ギャラリートーク: 5月9日(金)・10日(土)15:00~16:00
- - 場所: 東京造形大学10号館1階CSギャラリー
- - 観覧料: 無料
この展覧会は、東京造形大学アニメーション専攻の特任教授である叶精二氏が主催しています。大塚氏と長年に渡って親交があった彼は、氏の作品や思想を深く理解しており、展示内容に対する期待が高まります。また、トムス・エンタテインメントや日本アニメーション、タミヤといった企業の協力を得て、展示の精度を更に高めています。
大塚康生氏のアニメーション人生
大塚康生氏は、アニメーション業界に多大な影響を与えた存在です。彼は数々の重要な作品に関与し、高畑勲や宮崎駿といった後進の育成にも力を注いできました。
特に、1968年に公開された『太陽の王子 ホルスの大冒険』では、初めて長編の作画監督を務め、その後も『ムーミン』や『ルパン三世』の作画監督を歴任しました。
また、晩年には、テレコム・アニメーション フィルムの顧問として、多くの後進を育成しつつ、軍用車両研究家としても知られ、自ら雑誌を発行するなど多才な一面を持っていました。2002年にはアニメーターとして初めて文化庁長官賞を受賞し、2019年には日本アカデミー賞特別賞を受賞しています。
ギャラリートークの重要性
特別展のギャラリートークは、来場者に作品の背景や制作過程を深く知る絶好の機会です。大塚康生氏のアニメに対する情熱や思いを直接聞ける貴重な時間になることでしょう。
興味深い展示と共に、アニメーションに対する理解を深める場としても大いに期待される『道楽ものおもちゃ箱』。この機会に、ぜひ東京造形大学へ足を運んでみてはいかがでしょうか。アニメーションの未来に思いを馳せながら、貴重な展示をお楽しみください。