世界と音楽でつながる「平和の歌」プロジェクト
2025年、戦後80年を迎えるにあたり、大阪で開催される関西万博では、世界中の音楽家が集まり、共通のテーマ「平和」を掲げたイベントが注目されています。「Songs for World Peace(SWP)」と呼ばれるこの国際音楽プロジェクトは、音楽を通じて平和のメッセージを広めることを目的としています。
このプロジェクトの特筆すべき点は、オンラインクワイアと現地のバンドとのコラボレーションによるハイブリッド形式のコンサートです。遠山歌子さん(シンガー、作曲家、教育者)と中山義恵さん(音楽ディレクター、編曲家、教育者)が共同で運営し、具体的には2025年8月6日と9日に行われる広島と長崎に関連するイベントで開催されます。
平和のメッセージを音楽で伝える
「これはただの音楽イベントではありません。国や文化、そして言語を越えて、希望を世界に届けるための取り組みです。」と語る遠山さんは、戦後80年が経過した今でも続く対立や戦争の現実に警鐘を鳴らします。彼女は、音楽を通じて人々を結びつけることができると信じ、この計画を立ち上げました。
プロジェクトの一環として、2023年には広島市からの公式な委嘱を受け、『ひろしま平和の歌』の英語版が制作され、8月6日には万博最大の会場で演奏される予定です。特にこの日は広島原爆の日であり、松井広島市長からのビデオメッセージが上映されることもあり、意義ある日となります。
また、8月9日には長崎原爆の日を記念して、万博の「フェスティバル・ステーション」でハイブリッド・グローバルクワイア公演が行われます。このパフォーマンスでは、世界中の音楽家と現地のバンドがリアルタイムで演奏する予定で、参加するアーティストたちの多様なバックグラウンドが融合する瞬間が期待されます。
参加アーティスト強化構成
プログラムには、世界中からさまざまなアーティストが招かれています。例えば、EMILY SHIBATA(日本/スペイン)、HANNAH FUJII BENNET(日本/イギリス)、JOYC JOHNSON(日本/アメリカ)などが名を連ね、各国の平和の歌や、SWPが制作してきた楽曲が披露されます。
クラウドファンディングの支援
この画期的なプロジェクトには資金調達が必要で、クラウドファンディングを通じて渡航費や宿泊費などの資金を募っています。目標金額は50万円で、支援者にはデジタルギフトや感謝のビデオメッセージが贈られる特典も用意されています。支援を希望される方は、公式ウェブサイトから募金が可能です。
未来を見据えた言葉
「私たちの目標は、ただ音楽を演奏することではなく、平和に対する意識を喚起することです。」と中山さんは力強く語ります。国際的かつ多様な文化を代表するアーティストたちの声を通じて、今この瞬間に平和の本質を問うこの試みは、多くの人々に深い感銘を与えることでしょう。
このプロジェクトを通じて、過去の悲劇を忘れず、未来に向けた希望を築くための音楽の力が再認識されることが期待されます。これまでにない形で、平和に向けた思いをつなげる音楽の響きが、世界を包み込む日が待ち遠しいです。