キラル物質の光機能
2025-06-06 14:24:21

光エレクトロニクスの未来を切り拓くキラル物質の新機能

光エレクトロニクスの新たな地平を開く



近年、物質科学における研究が進化し、特にレーザー技術の発展に伴い、物質の電子を光で操作する可能性が注目されています。特に、早稲田大学の研究グループが明らかにした新しい光エレクトロニクス機能について、解説します。

レーザー光と物質の関係



物質中の電子をレーザー光で励起することで新たな性質や機能が引き出せることが次第に解明されています。特に、キラル結晶と呼ばれる特異な構造を持つ物質にレーザー光を照射すると、指向性のある電流が生まれる現象が理論的に証明されました。この研究成果は、アメリカ物理学会発行の雑誌『Physical Review Research』に発表されたものです。

キラル物質の特徴



キラルな物質は、鏡に映した像と重なることのない性質を持ちます。具体的には、コバルトとケイ素からなるコバルトケイ素(CoSi)の構造は、原子が螺旋状に配置されており、これにレーザー光をあてることで、指向性のある電流が生成されるというのが今回の研究の中心です。さらに、照射した光の整数倍の周波数を持つ光が発生し、自らの機能を変換する可能性も示されています。

新たな応用の扉を開く



この発見は、光による電流の安定した生成、さらには電流のスイッチングや方向変換、光信号から電気信号への変換を実現する可能性を持っています。つまり、光エレクトロニクスの進化に寄与するものであり、次世代の情報処理やエネルギー変換技術への応用が期待されています。たとえば、コバルト系に似た他のキラル物質を利用することで、新たなデバイス開発が進むでしょう。

研究の意義と今後の展望



本研究が示すのは、キラル結晶を活用することで、レーザー光を利用し電子を自在に制御できるという極めて重要な意味を持ちます。今後、実験研究が進めば、理論と実験の間の相互作用が強化され、さらなる科学的発展が見込まれます。

研究グループは、今後も「光」と「キラル」の相互作用を探求し、より革新的な光技術の開発に寄与していく意向を示しており、まさに未来の光エレクトロニクスを先導する存在となることでしょう。キラル物質の活用が進むことで、私たちの生活を変える新しい技術革新が期待されます。


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