へラルボニーとのコラボで若者の就労支援を実現
特定非営利活動法人サンカクシャは、株式会社ヘラルボニーとの連携を通じて、孤立しがちな若者たちに新たなチャンスを提供するプロジェクトを進めています。この取り組みでは、若者が企業から正式に仕事を受け、報酬を得る体験を通じて社会参画へ一歩踏み出すことを目的としています。具体的には、ヘラルボニーの研修プログラム「HERALBONY ACADEMY」に使用する研修ツールを、サンカクシャに所属する若者が制作することとなりました。
若者の就労意欲とその壁
近年、社会では「トー横キッズ」や「闇バイト」という言葉が耳にされるようになり、経済的困窮や孤立が深刻な問題として浮き彫りになっています。サンカクシャが実施した調査によると、つながりを持つ106名の若者のうち、約8割が「働きたい」と考えているものの、その約6割が「人間関係への不安」を理由に実際の就労に踏み出せていないことが明らかになりました。この現実は、若者たちが抱える厳しい環境を物語っています。
孤立からの脱却に向けた支援
サンカクシャは、若者たちが「居場所」「住まい」「仕事」という3つの柱を通じて、自立を図るための支援を行っています。今回の取り組みは、これまでの就労支援を超え、就業準備の段階での丁寧なサポートを提供することを目指したものです。個々の若者たちが安心して「働く第一歩」を踏み出せるよう、居場所づくりや環境の整備に取り組んでいます。
研修ツール制作のリアルな体験
ヘラルボニーからの依頼を受けて制作された研修ツールは、ヘラルボニーの社員研修プログラムで使用されます。制作に先立つレクチャーでは、ヘラルボニーの担当者がサンカクシャの若者たちに対して、研修の背景や目的を伝え、熱心に交換を行いました。
実際の制作作業では、若者たちが企業の担当者から直接指導を受けながら、専門的なスキルを身につける貴重な機会を得ました。普段はあまり接点のない企業側との距離が縮まる中、若者たちは責任感を持って作業に取り組み、その結果として報酬を受け取ることができる風景が広がりました。
参加した若者たちからは、「作業は大変だったけれど楽しかった」との声が多く寄せられ、同時に「自分もこういう作業が得意かもしれない」という新たな自己発見につながったとのことです。このように、単なる体験としての作業ではなく、社会に対してのつながりを感じることができたことが強調されました。
共通の価値観から生まれたコラボレーション
ヘラルボニーのミッションは「異彩を、放て。」というものであり、障害のある作家が生み出すアートをIPとして管理し、社会の価値観に疑問を投げかける活動をしています。一方、サンカクシャは、孤立した若者たちの社会参画を支援することで、彼らが自立できる環境を提供しようとしています。この2つの団体の理念が交わることで、新たなコラボレーションが成り立ちました。
若者支援のための新しいモデルへ
サンカクシャでは、2025年より「サンカクスクエア」という新拠点を立ち上げ、地域や企業との連携を通じて若者たちに安心できる環境を提供することを計画しています。この取り組みを通じて、単発の就労機会だけでなく、持続可能な若者支援の経済モデルを構築していくことを目指しています。
こうした進展は、孤立している若者が自信を持って働くことができるようになるための重要な一歩であり、今後の活動に注目が集まっています。若者が「安心して働く経験」を得られるよう、引き続き企業や地域と連携していくことが期待されます。