JALと北海道大学、カーボンゼロ農業の提携を発表
2025年10月、東京を拠点とする日本航空株式会社(JAL)は、北海道大学と提携し、カーボンゼロを目指した農業プロジェクトの協働を開始すると発表しました。このプロジェクトは、再生可能エネルギーを活用することで環境負荷を低減しつつ、高品質ないちごを年間を通じて安定的に生産することを目的としています。
提携の背景
近年、農業は気候変動の影響を受けやすく、特にいちごなどの農作物の栽培は年々難しくなっています。JAL Agriportは、千葉県成田市に拠点を置く農業法人で、成田空港近郊の広大な農地を活かし、農業生産を行っています。北海道大学の大学院農学研究院は、いちごの周年栽培に関する専門的な知見を持っており、今回の提携によりそのノウハウを活かした栽培が行われることとなります。
カーボンゼロ農業の実証開始
JAL Agriportは2025年7月から、カーボンゼロ農業の実証を開始する予定です。これにより、安定した収益の確保を基盤に、持続可能な農業の好循環モデルを構築していく考えです。しかし、高額な設備投資や運営コストが課題であるため、特にいちごの周年栽培を目指した夏季栽培への挑戦が重要な焦点となります。
丸一年を通じての安定供給を目指す
このプロジェクトの具体的な協業内容には、北海道大学によるJAL FARMでのいちごの育成に関する専門的なサポートや、遠隔での栽培サポートが含まれています。通常、いちごは冬から春にかけての季節商品とされていますが、新たに夏季にいちごを栽培することで、年間を通じて高単価のいちご生産を目指します。
環境負荷の低減と地域活性化への期待
JALグループと北海道大学の連携により、サステナブルな社会の実現に向けた取り組みが進んでいます。このプロジェクトを通じ、通年で安定した果実の生産が実現すれば、農業の収益性向上に寄与し、環境にやさしい新たな農業モデルの確立が期待されます。また、このような取り組みは温暖化対策のみならず、地域経済の活性化にも寄与するものと考えられています。
今後の展望
この提携を契機に、北海道大学大学院農学研究院のネットワークを活用した新たな農園連携も計画されています。これにより、さらに多様な農作物の栽培や生産効率の向上が見込まれるため、持続可能な農業の成長モデルが一層前進することが期待されます。
JALと北海道大学によるこの取り組みは、未来の農業の在り方を示すものとして注目されるでしょう。今後の展開に期待が高まります。