蓮井幹生個展『朽ちゆく果てにも美は宿る』福岡で開催
2025年3月8日から3月23日まで、福岡市のYUGEN Galleryにて、写真家・蓮井幹生の個展『朽ちゆく果てにも美は宿る』が開かれます。この展覧会は、自然災害と人間の美に対する感受性が交差する重要な舞台となることでしょう。
展覧会の背景
今回の個展では、110年以上の歴史を持つ九谷焼の窯元、錦山窯が被った自然災害の影響を受けた作品の写真が16点展示されます。特に、能登半島地震によって多くの貴重な作品が破損したことに注目し、蓮井幹生はその瞬間を捉えました。彼が用いたのは、驚異的な1億画素の超高画素センサーカメラで、圧倒的な美しさと破壊のコントラストを視覚的に捉えています。
蓮井幹生のアプローチ
蓮井は1955年に東京都で生まれ、アートディレクターから写真家へと転身。彼の作品は自然や時間の流れをテーマにしており、日本人の美意識である「朽ちゆくことの美」に深く根ざしています。本展は、彼の新たな試みであり、破壊を通じて生まれる新しい美の形を探求しています。
錦山窯の歴史と伝統技法
本展には、錦山窯の三代目であり、重要無形文化財保持者である吉田美統の作品もフィーチャーされます。彼は釉裏金彩という独特な技法を駆使し、日本の陶芸の新たな地平を切り開きました。繊細な装飾や絵画的な美しさが沁み渡る彼の作品は、普遍的な美を代表しています。
作品販売と寄付の目的
本展の作品販売の収益の一部は、錦山窯の復興支援に充てられます。また、蓮井作家の在廊日として、3月8日(土)と9日(日)が予定されており、直接彼の話を聞く貴重な機会ともなっています。
美意識と変わりゆくものの意味
すべてのものには時間が流れ、変わる運命があります。日本文化におけるこの移ろいの美しさをどう表現するか、本展はその答えを探る場です。破損した作品が再び新しい表情を見せる瞬間を、観覧者は目の当たりにすることでしょう。その静謐な美しさは、来場者に深い感動を与えると期待されています。
ギャラリーの情報
- - 名称: YUGEN Gallery FUKUOKA
- - 住所: 福岡県福岡市中央区大名2-1-4 ステージ1西通り4F
- - 開館時間: 11:00〜19:00(最終日のみ17:00終了)
- - 定休日: 火曜日
- - 入場料: 無料
この機会に、蓮井幹生のユニークな視点で捉えた美の世界をご体験ください。詳細は
ギャラリーの公式サイトでご確認いただけます。