大正から昭和の女給たちの蘇る物語
注目著者、嶋津輝の最新作『カフェーの帰り道』が11月12日に刊行されます。彼の名は、昨年の長編『欅(たすき)がけの二人』で一躍世間の注目を浴び、直木賞候補にまで登りつめました。彼の文才が新たに光るこの短編集も、多くの読者の期待を背負っています。
嶋津輝とは?
嶋津輝氏は、1969年に東京都で生まれました。2016年には、彼の初作「姉といもうと」により第96回オール讀物新人賞を受賞し、その後2019年には短編集『スナック墓場』で書籍デビューを果たしました。2023年の『欅がけの二人』が直木賞候補に選ばれるなど、まさに飛躍の時を迎えています。
『カフェーの帰り道』について
『カフェーの帰り道』は、大正から昭和にかけて東京下町のカフェーで働く女給たちの短編集です。この時代背景は、「女給」という職業が持つ独自の魅力と共に、彼女たちの人間ドラマを描き出しています。個性豊かなキャラクターたちが織りなすストーリーは、現代の読者にも通じる悩みや喜びが詰まっています。特に原田ひ香さんからも高く評価されており、その期待感はさらに高まっています。
本書の中には、竹久夢二風の化粧を施したタイ子、小説に悩むセイ、面倒見の良いが嘘つきの美登里、年上の新米園子のような個性豊かな女給たちが登場します。彼女たちはそれぞれ特別な人生を歩みながら、カフェー「西行」での生活を通じて成長します。
時代を超えたメッセージ
約100年前を舞台にしながらも、彼女たちが抱える悩みや喜びは、現代を生きる私たちにも共鳴します。『カフェーの帰り道』は、単なる歴史物語ではなく、時代を超えて多くの人々の心に響く作品です。激動の時代を生きた女給たちの姿から、元気と勇気をもらえることでしょう。
書誌情報
- - タイトル: カフェーの帰り道
- - 著者: 嶋津輝
- - 判型: 四六判仮フランス装
- - ページ数: 228ページ
- - 発売日: 2025年11月12日
- - 価格: 1,870円(税込)
- - ISBN: 978-4-488-02936-4
- - カバー図案: 「美術海」(C)芸艸堂
- - 装幀: 鈴木久美
著者取材のご案内
本書の刊行にあたって、著者の嶋津輝さんへの取材も受け付けております。ぜひご検討ください。
まとめ
嶋津輝の新作『カフェーの帰り道』は、彼自身の成長を物語る作品でもあり、時を超える繊細な感性を持つ短編集です。歴史的背景と現代的なテーマが融合したこの作品を、ぜひ手に取ってみてください。心温まる物語が、あなたを待っています。