1970-2005年の日本の万国博覧会をたどろう
東京・文京区にある文化庁国立近現代建築資料館で、特別企画展『日本の万国博覧会 1970-2005』が開催されます。この展覧会は、日本国内で行われた5回の万国博覧会の軌跡を辿り、それぞれの会場計画や特徴的な建築デザインを通じて万国博覧会の役割を深く理解することを目的としています。
万国博覧会の歴史とは
万国博覧会は19世紀に始まり、当初は各国の優れた物品を展示する場でした。しかし、時代が進むにつれて国際的な交流や文化の発信の場としても機能するようになりました。日本では1970年の大阪万博を皮切りに、沖縄国際海洋博覧会、つくば国際科学技術博覧会、国際花と緑の博覧会、そして愛・地球博(2005年)が開催されました。今回の展覧会では、これらの博覧会の詳細な設計図や資料が紹介され、建築の進化とデザインの工夫を鑑賞できます。
展覧会の概要
本展覧会は、第1部『EXPO'70技術・デザイン・芸術の融合』と第2部『EXPO'75以降ひと・自然・環境へ』の2つの部から成ります。
第1部(2025年3月8日(土)~5月25日(日))
このパートでは、日本万国博覧会がどのように技術・デザイン・芸術を融合させたのかを紹介。特に、大屋根やメインゲートを設計した丹下健三や菊竹清訓の作品が展示され、当時の建築の挑戦と創意工夫が感じられます。具体的には、大阪万博のシンボルであるエキスポタワーや、各種パビリオンの詳細図も見所の一つです。
第2部(2025年6月14日(土)~8月31日(日))
この部では、後の博覧会における「ひと・自然・環境」のテーマがどのように取り入れられ、建築デザインが進化していったのかを展示。沖縄国際海洋博覧会やつくば国際科学技術博覧会の資料が見られる貴重な機会となります。この部分では、各博覧会の会場計画における変遷も同時に掘り下げられます。特に注目すべきは、建築家たちが直面した課題や、その中から生まれた新たなデザインの数々です。
展覧会の見どころ
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豊富な展示資料
展覧会では、展示品として約20万点の資料の中から特選された図面が公開されます。特に日本の万国博覧会に関連する資料が一挙に公開されるのは、今展の大きな特徴であり、訪れる人にとっても新たな発見の場となることでしょう。
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手描きによる建築の美
万博建築の設計当時、コンピュータが普及していなかったため、手描きによる図面が中心でした。このことによって、手作業にこだわった建築家たちの情熱や工夫を直に感じられる貴重な展示です。
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関連イベントも充実
会期中には、シンポジウムやガイドツアーも開催予定で、詳細が分かり次第公式ウェブサイトで発表されます。参加することで、さらに深い理解と新たな視点が得られるでしょう。
サンプルの入り口
展覧会は毎週月曜日を休館日として、入館は無料の部分と有料の部分がございますので、公式ウェブサイトでご確認の上、訪問してみてください。これを機に、万国博覧会がどのように日本の文化や建築に影響を与えたのか、新たな知識を得る素晴らしい機会になることでしょう。特別展『日本の万国博覧会 1970-2005』。ご期待ください。