新たな連携が生み出す未来
千葉県いすみ市に位置するNPO法人AlonAlonが、観光と福祉を融合させた「観福連携事業」を開始することが発表されました。理事長である那部智史氏が率いるこの取り組みは、農業を通じて障がい者の就労支援を行い、社会が抱える農業人口の減少問題にも貢献しています。今回新たに始まるプロジェクトでは、株式会社ヴァンガードスミスとパートナーシップを結び、観光業界とも深く関わっていくことになります。
観光業界の厳しい現在
新型コロナウイルス感染症の収束を受け、多くの観光客が戻りつつある現在、観光業界では労働力不足が深刻な問題となっています。特に宿泊業界では、有効求人倍率が6.15倍に達し、人手不足が顕著です。給与の格差や長時間労働、休暇取得の難しさが影響しており、新しいホテルや旅館のオープンが相次ぐ中、ますます人手が求められています。
この厳しい状況を踏まえ、AlonAlonはすでに木更津市の「鳥居崎倶楽部」でのハウスキーピング業務で成功を収めた経験を基に、ヴァンガードスミスの貸し別荘の清掃業務を受託します。観光業界における人手不足の嘆きが続く中で、AlonAlonはこれを障がい者にとっての新たな就労機会として捉え、前向きなアプローチをするのです。
期待される成果
新たに始まる観福連携プロジェクトは、ヴァンガードスミスにとっては「スミスのいえ」の清掃員の確保、さらには顧客満足度の向上にも寄与します。一方でAlonAlonにとっては、就労継続支援B型事業所の利用者の工賃向上を図ることができ、「農福」連携だけでなく「観福」連携を通じた新たな職域の拡大が実現します。
このプロジェクトにより、障がい者の職域がさらに広がる潜在能力を秘めています。異業種間でのシナジーを生かし、観光の分野にも様々な企業との連携を拡げることで、AlonAlonは障がい者が社会でより多く活躍できる場を増やす挑戦を続けます。
AlonAlonとヴァンガードスミスのビジョン
AlonAlonは、障がい者に対して生きがいと働き甲斐のある安定した仕事を提供することを目指しています。彼らがスキルを身につけ、やりがいを感じながら働ける環境を整えることで、親亡き後の自立を支援することが最終目標です。
一方、株式会社ヴァンガードスミスは、「困っている人を助ける」ことを理念に掲げ、全国でトラブルを未然に防ぐサポートを行っています。貸別荘事業やリノベーション事業の展開も行い、地域社会の一員として貢献を続けています。
未来への期待
観光業界が抱える課題に対処する新たな取り組みとして、AlonAlonとヴァンガードスミスのコラボレーションは注目されます。障がい者が活躍できる職域の拡大は、地域社会にとっても大きな意味を持つでしょう。この新たな試みが、持続可能で多様性のある社会を築く一助となることを期待しています。