3月12日、ウィーンで開催された国連麻薬委員会第68回会期の一環として、公益財団法人麻薬・覚せい剤乱用防止センターがウガンダのNGO団体と共にシンポジウムを実施しました。本シンポジウムでは、40年以上にわたり薬物乱用防止活動を推進してきた当財団の活動が紹介され、国際的な支援を受けながら新たなプラットフォームの形成に向けた議論が行われました。
シンポジウムでは、ウガンダのNGO「Uganda Youth Development Link (UYDEL)」のエグゼクティブ・ディレクターであるカシリエ博士が、ウガンダにおける薬物乱用の現状を語り、その影響が貧困や性的虐待、人身売買などとどのように関連しているかを詳しく分析しました。
また、当財団の藤野彰理事長は、薬物乱用防止活動の歩みを発表し、プラットフォームの形成を進めるための背景を説明しました。特に、近日中に公開されるオンライン情報交換システムについても触れ、サンプル画像を交えながら参加資格のある団体に向けて案内を行いました。
その後、日本の大学から参加した学生二名が、薬物乱用防止の重要性と、それを支えるプラットフォームへの参加意義を自身の体験を元に語りました。彼らの発言は、参加者にとって感銘深いものであり、若者からの視点が新たな気づきをもたらしました。
続いて、国連薬物・犯罪事務所(UNODC)のジョバンナ・カンペロ事務局長代理が登壇。彼女は、効果的な薬物乱用対策にはエビデンスベースのアプローチと地域ネットワークの活用が不可欠であり、アフリカやアジアにおける資金不足や地方に適した革新的な解決策の重要性を強調しました。
国際麻薬統制委員会(INCB)のセビル・アタソイ博士も参加し、予防が薬物対策において重要であり、特に子供や若者に対する早期介入の必要性を訴えました。このような強いメッセージと共に、国連機関からはプラットフォーム形成への支持と、地域の取り組みを強化するための連携の重要性が強調されました。
今後、当財団は国連機関の支援を受けつつ、アジアやアフリカのNGO団体との連携を進めながら、薬物乱用防止ネットワークの強化に向けた活動を拡大していく方針です。
公益財団法人麻薬・覚せい剤乱用防止センターは、1987年の設立以来、日本国内で薬物乱用防止活動の中心的な役割を果たしてきました。国際的には国連支援募金を通じて開発途上国への支援を展開し、これまでに約7億5,550万円を投じ、655カ国、786プロジェクトを支援してきました。
このような国際的な取り組みを通じて、若者と共に「ダメ。ゼッタイ。」の精神を広め、より安全な社会の実現を目指していきます。さまざまな支援を得て、薬物乱用防止のネットワークを構築し、持続可能な解決策を追求する活動が今後も望まれます。