社会的養護施設支援プラットフォーム「チャボナビ」による全国展開
社会的養護施設における人材支援プラットフォーム「チャボナビ」が、全国47都道府県の施設登録を達成しました。これにより、地域に密着した支援活動が階層化し、各地の人材不足の課題解決に向けた新たな一歩を踏み出しました。
特定非営利活動法人チャイボラが運営するこのプラットフォームは、2018年に設立され、「こどもたち一人ひとりが大切に育てられる世の中」を実現するための活動を続けてきました。具体的には、全国の社会的養護施設に対して無償で「チャボナビ」を提供し、求職者と施設とのマッチングを促進するインフラを整備しています。
全国47都道府県登録がもたらす意味
2025年10月には、チャボナビに登録していなかった県においても、初めての施設が登録され、これにより全国全ての地域で利用可能となりました。この達成は、チャイボラの普及活動が地域に浸透し、情報発信の重要性が認識されていることの証です。これにより、地域間の情報格差が解消され、養護施設の職員確保が一層容易になります。
社会的養護施設では、さまざまな背景を持つこどもたちが生活しており、彼らに必要なケアを提供するためには、職員の安定的な確保が必要です。しかし、広報活動に必要な費用が公的資金に含まれていないため、多くの施設は人材募集が難しいという状況にあります。そこで、チャボナビにより求職者と施設の繋がりが生まれ、人材不足の解消に向けた動きが加速しました。実際、チャボナビを利用した採用人数は2025年3月末時点で370人を超え、採用実績のある施設も138施設に拡大しています。
次なる取り組みと地域密着型支援
47都道府県全てに登録が完了した今、チャイボラの活動は次のステージへと進み、全国規模から地域への深化を図ります。具体的には、地域特性やニーズに合わせた支援を行い、よりきめ細やかな支援体制を整えます。例えば、地域や学校と協力したオンライン見学会や合同説明会を開催し、季節に応じたイベントも企画されています。
さらに、職員の研修プログラムの充実も目指しており、既存の職員が長く働き続けられる環境を整える努力も行っています。「チャボゼミ」というオンライン研修を通じて、内定者や新任職員への教育支援を行い、より多くの人材がこの分野で活躍できるようにしています。
代表理事・大山遥の思い
特定非営利活動法人チャイボラの代表理事、大山遥氏は、NPOの設立当初から社会的養護の現場が抱える人手不足の問題を深く理解してきました。彼のビジョンは、「ほしいのは物ではなく人」という理念であり、これを実現するためにチャボナビは不可欠な存在です。
思いを同じくする施設の方々からも、「チャボナビの登録を通じて採用につながった」という喜びの声が寄せられており、その手応えを実感しています。全国の施設においては大きな成果があがっているのが現状です。チャボナビは、今後もこどもたちのために活動を続け、より良い社会的養護を実現するために邁進します。私たちの活動が広がることで、こどもたちが大切に育てられる環境が一層整うことを願ってやみません。
特定非営利活動法人チャイボラ
所在地: 東京都豊島区
活動内容: 社会的養護施設の職員確保と定着を支援するためのサービス提供
公式Webサイト:
チャイボラ |
チャボナビ