カーボンリサイクル技術の進化
近年、地球温暖化に伴う二酸化炭素(CO2)の排出削減が求められている中、カーボンリサイクル技術の重要性が高まっています。このたび、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が主導するプロジェクトに、早稲田大学と株式会社ササクラを含む4社が採択され、新たなカーボンリサイクル技術の商用化に向けた研究を開始しました。
プロジェクトの概要
このプロジェクトは「カーボンリサイクル・次世代火力発電等技術開発/CO2有効利用拠点における技術開発」と名付けられ、2026年7月から2028年3月までの期間で実施されます。特に、広島県の大崎上島に位置する実証拠点において、海水を用いたカーボンリサイクル技術が設計されています。これにより、CO2の有効利用を目指し、持続可能な社会の実現を図っていきます。
研究の背景
早稲田大学とササクラは、2022年度から始まった前事業において、海水を原料としたカーボンリサイクル技術の基礎的な研究を行ってきました。実証拠点には20トン/日の海水処理能力を持つプラントが設置され、マグネシウムや石膏などの高純度な副産物の生成が確認されました。これにより、マグネシウムを用いた新しいコンクリート材料「WMaCS®」も開発され、商標登録が行われました。
研究開発の進め方
新たに採択された本事業では、以下の3つの研究開発項目が設定されています。
1.
カーボンリサイクル材生成工程の高度化
ササクラが幹事会社として、早稲田大学と協力し、CO2固定量の増加や工程の効率化を図ります。
2.
カーボンリサイクル材応用セメント系材料の性能向上と実用化評価
住友大阪セメントが新たな建設材料の開発を進め、早稲田大学とともにWMaCSの実用化を目指します。
3.
カーボンリサイクル材応用新素材開発
TBMがカーボンリサイクル技術を利用し、商用化を進める新素材を開発します。
これらの研究内容は、カーボンリサイクル技術の実用化に大きく寄与することが期待されています。
期待される成果と展望
本プロジェクトが成功すれば、CO2を効率良く利用し、環境負荷を減らした高性能な建材が市場に登場することとなります。また、海水から得られる資源を活用することで、持続可能な地域発展にも貢献できるでしょう。この取り組みは、環境問題への新たなアプローチとなり、未来の産業構造に影響を与えることが期待されます。
今後は、NEDOの支援を受けたこの研究開発の進捗に注目が集まります。特に、海水を用いたカーボンリサイクル技術が、どのように商業化され、実際の建設現場での適用が進むのか、多くの関心が寄せられています。持続可能な社会の実現に向けた第一歩として、本研究は大きな意義を持つものとなるでしょう。