環境課題解決に向けた新たな木造ユニット建築「KIBLO」を紹介
住友林業株式会社が開発した木造ユニット建築「KIBLO(キブロ)」は、資源循環利用や施工人材不足といった現代の社会課題に直面する中で生まれた新しい建築様式です。このユニットは約10㎡のサイズで、工場で事前に製造され、現場に搬入されて設置されるため、効率的な施工が可能です。他の建築技術と違って、この木造ユニットは一次利用後に解体・移設・再組立が可能なため、環境の負担を軽減し、持続可能な建築の未来を切り開くモデルとなっています。
開発背景
今日の建設業界では、環境負荷を低減するため、木材を用いた建築や資源の再利用が求められています。さらに、施工人材不足も深刻で、特に小規模な建築プロジェクトでは効率的な施工管理が必要とされています。住友林業は、このような社会的なニーズに応え、木材の価値とユニット建築の利点を融合させた「KIBLO」を開発しました。
「KIBLO」の特徴
このユニット建築は、長辺・短辺両方向に接続できる設計がなされており、独自に開発された幅狭耐力壁を用いることで、有効幅約4,680mm、天井高2,400mmといった開放的な空間を実現しています。また、ユニットを簡単に解体・再組立できる連結金物が開発されているため、柔軟な使用方法が可能です。
木造ユニット建築が生み出す価値
1. サーキュラー建築による環境保護
「KIBLO」は、一度の利用で終わるのではなく、再利用が可能です。これにより、建物のライフサイクルを延ばし、環境負荷を低減できます。将来的には災害時の一時利用施設としての機能を持つことも視野に入れています。
2. 工期短縮とコスト削減
このユニットは、基礎工事と併行して工場で製造されるため、現場作業が効率化され、工期が約半分に短縮される計画です。さらに、施工品質も工場生産によって安定し、無駄な資材の使用も減少します。
3. 快適な室内環境
「KIBLO」は、断熱性も優れており、常設利用に適した快適な空間を提供します。木材による心地よい室内の実現は、利用者のウェルビーイングにも寄与します。
GREEN×EXPO 2027での活用
「KIBLO」は、2027年開催予定の国際園芸博覧会「GREEN×EXPO 2027」において、住友林業館のバックオフィス棟に利用される予定です。18ユニットを連結し、約180㎡のスペースを構築します。完成後は、現場事務所として使用され、会期中には多目的に利用される計画です。会期後は、この建物も移設・再利用されることが見込まれています。
今後の展望
住友林業は、「KIBLO」を2027年以降に製品提供し、広範な木材利用を促進することで、新たなビジネス機会を創出することを目指しています。また、地方における施工力不足の解消にも寄与することで、社会全体の課題解決を図ります。持続可能な社会を目指す中、「KIBLO」はその鍵となる存在となるでしょう。
住友林業は、木材の価値を最大限に活用し、資源循環を実現するために今後も努力を続けます。2030年までの長期ビジョン「Mission TREEING 2030」に則り、さらなる環境保護と持続可能な建築の普及に向けて、積極的に活動しています。