ウクライナで進む遠隔施工の実証実験とその可能性
株式会社ソリトンシステムズが、ウクライナのキーウ市で遠隔施工の実証実験を行いました。この取り組みは、国土交通省が主導する「日ウクライナ・国土交通インフラ復興に関する官民協議会」(略称:JUPITeR)の一環で、来る2025年10月に実施されたものです。
この実験は、7月に実施された現地調査をもとに、ウクライナ地方・国土発展省やキーウ工科大学、現地の関係機関の協力を得て進められました。
今回のデモでは、現地の複数のLTE回線を組み合わせることで、安定した映像伝送とリアルタイムの制御信号を実現。KPIコントロールセンターから約25km離れた建設現場に設置された建機を遠隔で操作しました。操縦に使用された機材は、ソリトンの短遅延映像伝送装置「Zao」シリーズと、アクチュエータ・ロボットです。これにより、既存の建機を改良することなく、遠隔操縦が可能となりました。
現地オペレータの反応
実際に操縦を行ったのは現地のオペレータであり、女性を含む参加者たちは数時間の訓練を受けた後、スムーズに遠隔操作を習得しました。操作の結果、彼らはその高い操縦性や操作のしやすさに感動の声を上げました。この実証実験により、ウクライナ国内でも遠隔施工が実際に機能することを確認し、今後の復興の現場での活用が期待されています。
現場のニーズに応える遠隔操縦技術
ウクライナでは復興に向けた膨大な建設需要が見込まれておりながらも、人手不足や危険環境での作業が課題となっています。そこで、遠隔操縦技術を導入することで、女性や戦傷者など、これまで直接的な作業が難しかった人々の参加が可能となり、作業の安全性や効率の向上が期待されています。
また、この実証実験は「安全で包摂的な復興」の実現に向けた第一歩に位置づけられ、ソリトンは日本で培った建設技術や通信技術を現地のニーズに結び付け、安全かつ効率的な復興作業の支援を目指しています。
自社技術を生かした実証の詳細
実証の概要は以下の通りです:
- - 実施時期:2025年10月
- - 実施場所:ウクライナ・キーウ市(KPIコントロールセンターおよび市内のデモ現場)
- - 使用機材:短遅延映像伝送装置「Zao」、建機用アクチュエータロボット
- - 通信構成:現地LTEキャリアによるマルチリンク構成
- - 実証内容:KPIコントロールセンターから約25km離れた建機をリアルタイムで遠隔操縦
ソリトンシステムズの将来への展望
ソリトンシステムズは1979年に設立され、ITやエレクトロニクス業界にいち早く新しい技術トレンドを取り入れ、数々の「日本で初めて」を実現してきました。近年はITセキュリティ、サイバー対策、通信を利用した映像伝送システム、遠隔操作など多岐にわたる技術開発を行っています。
今後も、ウクライナでの遠隔施工の実証を通じて得られた知見を活かし、ともに歩む企業として、安全で効率的な復興作業を支える技術の開発を進めていくことでしょう。
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このように、ソリトンシステムズの取り組みはただの技術革新にとどまらず、復興の現場で実際に活かされる形で進められています。復興に向けた希望の灯りともいえるこの技術が、今後どのように広がっていくのか、引き続き注目していきたいと思います。