ユーフォリアとGoogleが熱中症対策を革新
スポーツテック企業である株式会社ユーフォリア(東京都千代田区)は、Googleが開発した生成AI「Gemini」とGoogle Cloudのサービスを組み合わせ、建設現場などの高温環境で働く作業者のための新しい熱中症対策ソリューションを発表しました。これにより、株式会社奥村組(大阪市阿倍野区)がその現場での導入を開始したといいます。
本ソリューションの目的
最近の気象変動や異常気象により、夏場の高温化が進行し、特に屋外での作業において熱中症のリスクが高まっています。2025年からは、職場における熱中症対策が義務化されることが決まっており、企業には従業員の安全を確保するための具体的な施策が求められています。特に建設現場では、ウエアラブルデバイスの使用が困難な場合が多いことから、よりシンプルかつ効果的なアプローチが必要です。
ユーフォリアの技術
ユーフォリアは、以前から「ONE TAP SPORTS」を通じて多くのアスリートやチームのパフォーマンス向上に貢献してきました。この実績を背景に、高温環境下での体調管理や給水に関するデータを活用した新たなソリューションを開発しました。
本ソリューションは、煩雑なセンサーを使用せずに、作業者が体重を測定するだけで熱中症リスクをスクリーニングします。通常の出勤時、休憩前、退勤時の1日3回の測定で、継続的な健康管理が可能です。
感知とアドバイスの仕組み
1.
体重測定によるスクリーニング:作業者は体重を簡便に測定することで、熱中症リスクをチェックします。
2.
ONE TAP SPORTSのデータ活用:ユーフォリアがこれまでに集積した、発汗や体水分量、疲労度に関する実践的データを元にリスクを評価。
3.
Geminiによるアドバイス:収集したデータを基に、Googleの生成AI「Gemini」が、必要な水分補給量や休憩タイミングなどをリアルタイムで提示します。これにより、個々の状態に応じたパーソナライズされた対策が可能となります。
今後の展開と期待
この新しい熱中症対策ソリューションは、まずは奥村組の建設現場で試験運用され、その後は建設業だけでなく製造業、運輸業、各種屋外イベントなど、さまざまな分野への展開が期待されています。ユーフォリアは、全ての作業者が安全で健康的に業務を行える環境の構築に貢献することでしょう。
関係各者のコメント
グーグル・クラウド・ジャパンの伊田聡輔様は、「ユーフォリアの取り組みは、日本社会の重要課題に対する重要な先進的な一歩である」と述べています。また、ユーフォリアの代表取締役宮田誠氏も、「これまでの経緯を生かして、テクノロジーの力でより多くの人々の健康を守りたい」と意気込みを語っています。
この新たな試みが、働く人々の生活をどのように変えていくのか、今後の動向に注目です。