ガスパル、アクアポニックスで持続可能な農業を推進へ
東京都品川区に本社を構える株式会社ガスパルは、循環型農業「アクアポニックス」事業への参入を発表しました。この新たな取り組みは、都市部近郊の遊休地を活用し、水産養殖と水耕栽培を組み合わせたエコフレンドリーな農業モデルを目指しています。
アクアポニックスとは?
アクアポニックスは、魚の排泄物を微生物が分解し、植物がその栄養を吸収するシステムです。このプロセスでは、浄化された水が再び魚の水槽に戻るため、化学肥料や農薬を使わずに効率的な生産を実現します。持続可能な方法で食料を生産するための一環として、現在の農業の課題への解決策として注目されています。
具体的な事業計画
ガスパルは2025年11月、埼玉県さいたま市西区に約4,600㎡の自社農場を建設します。この農場では、葉物野菜や食用花、ハーブなどが水耕栽培で育てられる一方、チョウザメやホンモロコ、ティラピアなどの養殖も行われる予定です。これらの作物は2026年4月から、ガスパルの「福菜商店」ブランドとして販売が開始されます。
農業の未来に向けて
農業従事者の減少が予測される中、アクアポニックスは省人化が容易で、参入障壁も低いため、多くの企業が注目しています。ガスパルでは、遊休地を持つ土地保有者と農業に参入したい企業とのマッチングを行い、農業コンサルティング事業を立ち上げる予定です。これにより、遊休地の有効活用を促進し、新たなビジネスモデルを創出します。
実証実験の成果
具体的には、2024年4月から2025年6月にかけて、神奈川県藤沢市で実証実験を実施し、20種類以上の葉物野菜とチョウザメの育成を行いました。その実験結果は成功を収め、直売所やマルシェでの販売を通じて消費者からの高評価を得ました。
2032年度の目標
ガスパルは2032年度には、養殖魚の本格的な販売を開始し、年間売上5,000万円を目指しています。この目標を達成することで、持続可能な農業の実現に寄与すると同時に、より多くの市民に新鮮で美味しい食材を届けることが期待されています。
ガスパルの取り組みは、環境に配慮しながら新しい農業の形を模索するものであり、次世代の農業を支えるモデルケースとして注目されています。