2025年に向けたAPIセキュリティの未来:Kongの最新レポートに見る脅威と対策
APIセキュリティの現状と将来的な脅威
2024年12月10日、APIマネジメントプラットフォームを展開するKongが発表した「APIセキュリティの展望 2025年版」レポートは、ますます重要度が増すAPIセキュリティの課題を浮き彫りにしています。AI技術の急速な進化がもたらす脅威に対する認識と対策が求められる中、報告書は、企業が抱えるリスクと実際の対応状況について詳しく分析しています。
AI駆動型攻撃の現実
レポートによると、調査に参加したIT専門家及びビジネスリーダーの25%が、すでにAPIや大規模言語モデル(LLM)などに関連するAI駆動型攻撃を体験していて、75%が今後の攻撃に対する懸念を抱いています。これだけでも、AIがセキュリティの新たな脅威を引き起こす可能性が高いことが示されています。
また、85%が自社のセキュリティ能力に自信を持っている一方で、過去1年間に55%がAPIセキュリティインシデントを経験したというデータは、安心感と実態のギャップを示唆しています。
重要なのは、回答者の20%がAPIセキュリティインシデントによって50万ドル以上の損失を被っている点です。このことから、企業は強固なAPIセキュリティ戦略を講じる必要性が浮き彫りになってきました。
セキュリティ対策の優先順位
レポートでは、92%の回答者がAI駆動型攻撃への対策をすでに講じていることが示されています。具体的な対策としては、以下の3つが最も重要視されています。
1. 監視とトラフィック分析の強化(66%)
2. AI関連脅威に関するスタッフ教育(60%)
3. AI駆動型脅威検出システム(51%)
一方で、APIセキュリティリスクを軽減するための実施手段としては、API監視と異常検出ツール、APIゲートウェイソリューション、APIの暗号化とトークン化などが挙げられています。特に、63%の組織がAPI監視と異常検出ツールを利用しているという結果が示されています。
課題への対応
しかしながら、レポートは、「ゼロトラストアーキテクチャ」の採用がわずか35%にとどまっていることから、多くの企業が基本的なセキュリティ戦術を戦略に組み込んでいない現実も明らかにしています。また、回答者の3%のみがシャドウAPIを重大なセキュリティ脅威と認識している点も懸念材料です。
Marco Palladino氏(Kong Inc. CTO)は「AI時代において、セキュリティリスクを過小評価することは許されない」と述べており、APIセキュリティを全体的なサイバーセキュリティ戦略の一部として捉える重要性を強調しました。
財務的な視点も重要
さらに、45%の組織がAPIセキュリティに対してサイバーセキュリティ予算の少なくとも20%を割り当てている一方で、41%は自社の投資がAPIセキュリティリスクを十分にカバーしているかに疑問を感じていることも興味深いです。
まとめ
Kongのレポートは、AIとAPIの融合が進む中で、今後のAPIセキュリティ対策がいかに重要であるかを示すものです。企業が持つべき総合的なセキュリティ対策と、その重要性を再認識させる機会を提供しています。詳細な分析や提言は、Kongの公式サイトで公開されていますので、興味のある方はぜひご覧ください。